【事業所向け】利用者のライフステージを支える「3つの法律」と「65歳の壁」への備え

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こんにちは。 障害福祉サービス専門で皆様をサポートする「くまくま相談事務所」です。

日々の施設運営に追われていると、どうしても自社が提供しているサービス(就労継続支援や放課後等デイサービスなど)の関連法規だけに目が行きがちです。 福祉分野では、利用者の年齢によって根拠となる法律と支援が変わります

今回は制度の全体像をつかむため、年齢ごとの適用法律と具体的な支援内容をギュッとまとめて解説します。

利用者がこれまでどんな支援を受けてきたのか、そして将来どのような制度へ移行していくのかを把握することは、事業所としての支援の質を高める第一歩となります。

✅ この記事を読んでわかること

  • 【0歳〜18歳の支援】 「児童福祉法」に基づく、就学前(児童発達支援)と就学後(放課後等デイサービス)の役割の違いと土台作り
  • 【18歳〜64歳の支援】 「障害者総合支援法」が支える、大人の「働くこと(就労支援等)」と「暮らすこと(グループホーム等)」の制度の全体像
  • 【65歳以上の支援と壁】 「介護保険法」への切り替えによって生じる「65歳の壁(負担増や環境の変化)」と、事業所に求められるスムーズな移行サポート

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目次

1. 【0歳〜18歳】児童福祉法のステージ

障害のあるお子さんの成長と発達を支援し、将来の自立に向けた土台を作るステージです

  • 児童発達支援(主に未就学児:0〜6歳): 施設に通い、食事やトイレなど日常生活の基本動作の指導を受けます。また、言葉の遅れやコミュニケーションの練習など、幼稚園や保育園などの集団生活に適応するための専門的な訓練を行います。PDF他 1 件
  • 放課後等デイサービス(主に就学児:6〜18歳): 学校の放課後や夏休みなどの長期休暇中に通う「居場所」です。生活能力向上のためのプログラム(学習サポートやソーシャルスキルトレーニングなど)を通じ、社会との交流を促進します。PDF他 1 件
  • 保育所等訪問支援: 専門スタッフが保育園や学校などを直接訪問し、障害のあるお子さんが集団生活に馴染めるよう、現場の先生方と連携しながら直接的な支援を行います。

2. 【18歳〜64歳】障害者総合支援法のステージ

大人として地域社会で自立した生活を送り、「働くこと」や「暮らすこと」を支えるステージです

  • 働くための支援(就労移行支援): 一般企業への就職を目指す方向けに、ビジネスマナー講座、パソコントレーニング、面接対策、職場実習などを提供します。
  • 働くための支援(就労継続支援A型・B型): 一般企業での就労が難しい方向けの働く場です。A型は雇用契約を結んで最低賃金以上を受け取り、B型は雇用契約を結ばずに自分のペースで軽作業(内職、農作業、カフェ業務など)を行い、工賃を受け取ります。
  • 日中の活動支援(生活介護): 常に介護が必要な方向けに、日中施設で入浴、排泄、食事などの身体介護を行います。また、体操や創作活動、レクリエーションなどを通じて、生活の質を向上させる支援も行います。
  • 暮らすための支援(共同生活援助/グループホーム): 地域の一軒家やアパート等で数人で共同生活を送ります。支援員(世話人)から、食事の提供、掃除・洗濯のサポート、金銭管理、日々の健康相談などの援助を受けながら自立した生活を目指します。

3. 【65歳以上】介護保険法のステージと「65歳の壁」

65歳(特定疾病の場合は40歳)を迎えると、「介護保険優先の原則」により、障害福祉から介護保険のサービスへと根拠法が切り替わります。加齢に伴う心身の変化を支えるステージへと移行します

  • 訪問介護(ホームヘルプ): ヘルパーが自宅を訪問し、入浴・排泄などの「身体介護」や、掃除・調理などの「生活援助」を行います。
  • 通所介護(デイサービス): 施設に通い、食事・入浴のサポートや、身体機能を維持するための訓練・レクリエーションを受けます。
  • 短期入所生活介護(ショートステイ): 短期間施設に宿泊して介護を受けます。ご家族の負担軽減にも活用されます。
  • 福祉用具貸与: 車いすや介護ベッドなどのレンタルが可能です。

【事業所が直面する「65歳の壁」の問題】 
障害福祉サービスから上記へ切り替わる際、「自己負担額の増加」や「馴染みの事業所に通えなくなる」といった課題が生じることがあります。 これまで長年通ってくれた利用者さんが、制度の壁によって急に環境を変えざるを得なくなる場面は、現場としても非常に心苦しいものです。事前にケアマネジャー等の関係機関としっかり連携を取り、スムーズな移行をサポートする体制づくりが求められます。

よくある質問(Q&A)

65歳になったら、長年通い慣れたうちの事業所(生活介護やB型など)から必ず退所させなければならないのでしょうか?

原則は「介護保険優先」ですが、必ずしも即退所というわけではありません。 介護保険には「就労継続支援」のように働くことを目的とした同等のサービスが存在しません。そのため、就労系サービスは65歳を過ぎても引き続き利用できるケースが多いです。また、生活介護などであっても、市町村が「環境の変化が利用者の心身に著しい悪影響を及ぼす」と判断した場合は、特例として利用継続が認められることがあります。まずは早い段階で、相談支援専門員や市町村の窓口と協議することが重要です。

18歳(高校卒業)になる利用者さんがいるのですが、大人向けのサービスへの切り替えは自動で行われますか?

いいえ、自動では切り替わりません。改めて申請手続きが必要です。 「児童福祉法」から「障害者総合支援法」へ根拠となる法律が変わるため、大人向けのサービス(就労移行支援や生活介護など)を利用するには、改めて市町村への支給申請や、必要に応じて「障害支援区分」の認定調査を受ける必要があります。高校卒業間近になって慌てないよう、前年の夏〜秋頃には保護者や相談支援専門員を交えて、次のステージに向けた計画を立てておく必要があります。

現場のパートスタッフにも、このような法律の切り替えについて教えた方が良いのでしょうか?

はい、ぜひ事業所内の研修などで「全体の流れ」を共有してください。 スタッフ全員が法律の細かい条文や手続きを覚える必要はありません。しかし、「この子は将来グループホームで暮らすかもしれない」「この利用者さんは数年後に介護保険のデイサービスへ移行するかもしれない」と、『次のステージ』を見据えた視点を持てるかどうかで、日々の声かけや支援の質が大きく変わります。制度の全体像を知ることは、支援者としてのスキルアップに直結します。

まとめ:法律の「バトンタッチ」を理解して選ばれる事業所へ

障害福祉制度は、年齢ごとに法律がバトンタッチしながら、その時々のライフステージに必要な支援を提供しています。この「年齢による支援内容の変化」を把握しておくことが、障害福祉分野を深く理解する第一歩となります

自事業所のサービスだけでなく、制度全体を見渡せる広い視野を持ったスタッフがいる事業所は、利用者様やご家族にとって非常に頼もしい存在になります。ぜひ今回の内容を、社内研修などでスタッフの皆様と共有してみてください。

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行政書士 熊谷辰裕
この記事を書いた人

障害福祉専門の行政書士
【資格】
・精神保健福祉士
・行政書士
【略歴】
・大阪府貝塚市
・精神科病院PSWの経験と元地方公務員の経験を活かし、障がい福祉専門の行政書士として、令和8年5月より行政書士事務所登録し開業。
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