令和6年度義務化】児発・放デイ「安全計画」の必要性と分かりやすい作成方法を解説
大阪・泉州地域を中心に、障害福祉サービス事業所の立ち上げや運営をサポートする「くまがい行政書士事務所」です。
児童発達支援や放課後等デイサービスを運営する皆様、令和6年度(2024年度)より「安全計画」の策定が完全義務化されたことはご存知でしょうか。 「やらなければならない業務が増えた…」と負担に感じている現場の皆様も多いかもしれません。しかし、安全計画は決して行政へ提出するためだけの「形式的な書類」ではありません。
今回は、放課後等デイサービスにおける安全計画の「本当の必要性」と、事業所で無理なく実践できる「分かりやすい作成方法」について解説します。
✅ この記事を読んでわかること
- 【義務化の背景と必要性】 単なる書類作りではない、子どもたちの命と現場スタッフの安心を守るための「本当の目的」
- 【必須となる4つの項目】 計画書に必ず盛り込むべき「安全点検・安全指導・訓練・再発防止」の具体例
- 【実践的な作成ステップ】 現場に負担をかけず、無理なく運用できる「年間スケジュールの立て方」と「役割分担のコツ」
1. なぜ「安全計画」が必要なのか?

安全計画とは、一言でいえば「子どもたちの安全を確保するための取り組みを、年間を通じて計画的に実施するための設計図」です。
なぜこの計画が必要なのか、そこには2つの大きな意義があります。
- 子どもたちの命を「組織」で守るため
これまで、事故防止や安全管理は「現場スタッフ個人の注意力」に頼りがちでした。しかし、ヒューマンエラーは必ず起きます。属人的な注意から脱却し、事業所全体で安全を守る「組織的な仕組み」を作るために計画が不可欠です。 - 現場スタッフの「不安と負担」を減らすため
支援員は常に「事故が起きたらどうしよう」という重圧の中で働いています。「いつ・誰が・どうやって安全確認をするか」が計画によって明確になっていれば、スタッフは安心して目の前の子どもたちの支援に集中することができます。
2. 安全計画に盛り込むべき「4つの内容」

こども家庭庁のガイドラインによると、安全計画には以下の4つの観点を盛り込む必要があります。ここをしっかり押さえることが作成の第一歩です。
① 定期的な「安全点検」の実施
事業所の設備(遊具の破損、備品、避難経路に物が置かれていないか等)や、散歩コース・公園などの安全点検を定期的(年3回程度)に行い、文書として記録・改善します。
② 児童・保護者への安全指導と共有
児童に対して、交通ルールや災害時の行動を分かりやすく伝えます。また、保護者へはお便りや面談を通じて「事業所で行っている安全対策」を共有し、家庭でも安全について話し合う機会を持ってもらいます。
③ 実践的な訓練や研修の実施
火災や地震を想定した避難訓練、不審者侵入時の対応訓練、救急対応(心肺蘇生法やAEDの使い方)などを定期的に実施します。常勤・非常勤に関わらず、全職員が参加できる体制を作ることが重要です。
④ 再発防止の徹底(ヒヤリ・ハットの活用)
実際に起きた事故や、「あわや事故になりかけた」というヒヤリ・ハット事例を職員間で共有し、なぜ起きたのかを分析してマニュアルを見直す仕組みを作ります。
3. 作成方法:無理のない「年間スケジュール」の立て方

4つの内容が整理できたら、次は「いつ、誰が実施するのか」を年間スケジュールに落とし込みます。事業所の実態に合わせて、以下のように分類して設定するとスムーズに作成できます。
- 【毎日やること】
- 送迎車両の乗降確認と車内点検
- 開所前・閉所後の簡単な環境整備(おもちゃの片付け等)
- 【毎月~定期的にやること】
- 施設や遊具の詳細な安全点検
- 避難訓練(消防法に基づき年2回以上)や不審者対応訓練
- ヒヤリ・ハット事例の共有会議
- 【年1回以上やること】
- 保護者への安全計画の共有・説明
- 安全計画自体の見直しと次年度計画の策定
- 【随時やること】
- 新入職スタッフへの安全研修
- 季節ごとの対策(夏期のプール・熱中症対策、冬期の感染症対策など)
これらを「4月は避難経路の点検」「6月は熱中症対策の指導」といったように、月ごとの表(スケジュール)に割り振ることで、立派な「安全計画」が完成します。
よくある質問(Q&A)

4. 現場で機能させるためのワンポイントアドバイス

計画を作成する際、最も気をつけていただきたいのが「誰が、何をするか」という役割分担を明確にすることです。
例えば、リスクの高い「事業所外活動(公園への散歩)」や「送迎車の乗り降り」の場面では、「スタッフ全員で気をつけます」ではなく、「A支援員が先頭で誘導し、B支援員が最後尾で人数確認(点呼)をする」といった具体的な動きを定めておきましょう。
また、災害対策はネットの雛形をそのまま使うのではなく、必ず自事業所の地域のハザードマップを確認し、「水害が起きやすい」「地震の際は〇〇小学校へ逃げる」といった地域特性を反映させてください。
まとめ

令和6年度から義務化された「安全計画」は、行政の監査を乗り切るためのものではなく、事業所に関わるすべての人(子ども、保護者、スタッフ)に安心をもたらすための大切な仕組みです。 一度作成して終わりではなく、実施した結果を振り返り、毎年少しずつ改善していくこと(PDCAサイクル)が求められます。
「自施設に合ったスケジュールの組み方が分からない」「作成した計画書の内容に漏れがないかプロの目でチェックしてほしい」とお悩みの経営者様・児発管様は、ぜひ「くまがい行政書士事務所」へお気軽にご相談ください。



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