【民事上の不法行為責任について】~行政書士合格者が詳しく解説~

民法

皆さんはもし暴力や事件事故に巻き込まれた時に思い浮かぶ責任追及って何がありますか??警察に介入してもらい、刑事事件として起訴が一般的なイメージだと思います。民法では故意または過失によって他人の権利や利益を侵害する違法な行為を不法行為と呼びます。不法行為をした者は、不法行為によって生じた損害を賠償する責任があります。例えば、暴力や名誉毀損などがあります。今回は民法上の不法行為について説明をしようと思います。この記事を読むことでトラブルに巻き込まれた際の損害賠償請求の考え方が分かります。なお、行政書士は行政書士は争いのある法律行為は行えませんのであしからず。
この記事は、法律に興味がある方、行政書士試験の合格を目指す方などに参考になる内容になっています。

不法行為とは

不法行為とはある者(加害者)が他人(被害者)の権利、利益を違法に侵害した結果、他人(被害者)に損害を与えた場合において、被害者の加害者に対する損害万象請求権を発生させることを言います。不法行為の趣旨は被害者の救済及び損害の公平な分担にあります。なお、不法行為の規定は一般不法行為と特殊な不法行為に分けられています。今回は一般不法行為のみを説明します。

要件

①故意又は過失があること
故意又は過失は被害者が立証しなければなりません。

②責任能力があること
責任能力とは、自分の行為が違法なものとして非難されるものであると認識できる能力です。未成年者は自己の行為に責任を弁識するに足る知能を備えているかがポイントになります。また、精神障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠くじゅおたいにある間に他人に損害を加えた者は故意または過失を除き損害賠償の責任を負いません。

③権利又は法律上保護される利益を侵害すること
法律上保護される利益が侵害されている状態です。

④損害が発生すること
不法行為があった場合となかった場合との利益状態の差で金銭を評価したものです。

⑤行為と損害との間に因果関係があること
行為と損害の間に因果関係があることが必要です。

効果

賠償の方法

原則金銭賠償です。しかし、名誉毀損の場合には、損害賠償に代え、または損害賠償とともに、名誉を挽回するのに適当な処分が認められます。

請求権者

基本は損害を受けた本人が行います。しかし、被害者が亡くなった場合には相続の対象となります。また、胎児の場合は損害賠償請求権について既に生まれたものとみなされます。損害賠償には損害賠償請求権と慰謝料請求権があり、近親者が行うことが出来ます。

損益相殺

不法行為と同一の原因によって被害者が利益を受けている場合に、これを加害者の賠償すべき損害額から差し引くことを言います。
認められるもの:死亡者の生活費、給付されることが確定した遺族年金
認められないもの:死亡者に支払われた生命保険金、死亡した胎児の養育費

過失相殺

不法行為の際には被害者側にも過失が存在する場合があります。そこで損害の公平な分担の見地から被害者の過失を考慮してかぶった損害額から合理的な減額をした金銭をもって加害者が現実に賠償義務を負うべき額とする過失相殺があります。過失相殺は減額に止まりゼロにすることは出来ません。また、債務不履行責任とは違い、不法行為は必ずしも過失相殺を行う必要はありません。これを裁量的判断とされています。
被害者側の過失に当たるもの:夫の運手する被害者自動車に妻が同乗していた場合の夫の過失、交代しながら二人乗りでバイクの暴走行為をしていた者の過失
被害者側の過失に当たらないもの:被害を受けていた幼児を引率していた保育士の監護上の過失

期限

不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害および加害を知った時から3年行使しない時、又は不法行為の時から20年行使しないときは時効によって消滅します。
生命・身体侵害の損害賠償請求権は被害者又はその法定代理人が損害および加害を知った時から5年行使しない時、又は不法行為の時から20年行使しないときは時効によって消滅します。
この趣旨は長期間経過すると不法行為の立証が難しくなるため早期に決着させるためです。

民法の不法行為と刑法の違い

民法の不法行為と刑法は似ているため分かりずらいので、整理してみようと思います。
今回は名誉毀損を例にして説明します。
 民法では名誉を棄損した者は、被害者に対して、損害を賠償したり、場合により、名誉を回復するのに適当な措置をとったりしなければならない旨、規定されています。これは、被害者が加害者に対し損害賠償請求権や名誉回復措置にかかる請求権を有している、ということを意味します。
 刑法は、他人の名誉を棄損する行為を犯罪と定めています。刑法上、名誉棄損を行った者に対しては国家が刑罰をあたえることになります。

民法は私人と私人との間の権利義務関係について民法は規定おり、刑法は国家が犯罪に対して刑罰をあたえるという点に違いがあります。

まとめ

今回はトラブルがあった際の損害賠償の内、不法行為について説明しました。不法行為があった場合は裁判所での民事事件になります。刑法では罪に問うことが出来ますが、民法で不法行為責任を追及することで損害賠償として金銭的請求が出来るようになりますので、覚えておいてくださいね。

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