障害福祉サービスを一般社団法人で始めるには?設立要件・定款・注意点を解説
大阪・泉州地域を中心に、障害福祉サービス事業所の立ち上げや運営をサポートする「くまがい行政書士事務所」です。
共同生活援助、就労継続支援B型、生活介護、居宅介護、相談支援などの障害福祉サービスを始める際、「一般社団法人を設立して事業を始めたい」というご相談があります。
障害福祉サービスの指定を受けるには原則として法人格が必要ですが、一般社団法人も指定申請を行う法人として利用できます。
ただし、一般社団法人は合同会社などとは設立方法が異なり、設立時社員が2名以上必要で、公証人による定款認証も必要です。
また、障害福祉サービスの指定申請を予定している場合は、法人設立時から定款の「事業目的」に注意しなければなりません。
この記事では、障害福祉サービスを一般社団法人で始める場合の設立要件、定款、電子定款、指定申請までの流れについて解説します。
この記事を読んでわかること
- 障害福祉サービスを一般社団法人で運営できるのか
- 一般社団法人の設立に必要な人数
- 障害福祉サービスに必要な定款の事業目的
- 法人設立から指定申請までの流れ
1.障害福祉サービスは一般社団法人でも運営できる

共同生活援助、生活介護、就労継続支援、居宅介護などの障害福祉サービスの指定を受けるためには、原則として法人格が必要です。
一般社団法人は法人格を有するため、障害福祉サービス事業者として指定申請を行うことができます。
2.一般社団法人の設立要件と特徴

一般社団法人を設立するときは、設立時社員が2名以上必要です。
ここでいう「社員」は、法人で働く従業員という意味ではありません。
一般社団法人の社員とは、社員総会で議決権を持ち、法人の重要事項を決定する構成員のことです。
また、一般社団法人には少なくとも1名の理事が必要です。
例えば、
・設立時社員 2名
・理事 1名
という構成で設立することもできます。
一般社団法人は利益を出してはいけない?
一般社団法人について、「非営利法人だから利益を出してはいけない」と思われることがありますが、利益を出すこと自体は禁止されていません。
障害福祉サービスによる収入を得たり、職員へ給与を支払ったり、適正な役員報酬を支払ったりすることもできます。
一般社団法人の特徴は、事業によって生じた剰余金を社員へ分配することを目的としないことです。
株式会社の株主配当のように、利益を構成員へ分配する仕組みではありません。
資本金制度はない
一般社団法人には、株式会社や合同会社のような資本金制度がありません。ただし、資本金が不要だからといって、障害福祉サービスを少ない資金で開業できるという意味ではありません。
開業には、
・物件取得費
・改修費
・採用費
・人件費
・家賃
・備品購入費
・給付費が入金されるまでの運転資金
などが必要です。
法人設立費用だけではなく、開業後の資金繰りまで考えて準備しましょう。
3.障害福祉サービスでは定款の「事業目的」が重要

一般社団法人を設立するときに、特に重要なのが定款の事業目的です。
障害福祉サービスの指定申請では、申請するサービスに対応した事業目的が定款や登記事項証明書に記載されているか確認されます。
例えば、共同生活援助、生活介護、就労継続支援B型、居宅介護などを行う場合は、次のような記載が考えられます。
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」
計画相談支援を行う場合は、
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく特定相談支援事業」
放課後等デイサービスや児童発達支援を行う場合は、
「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」
など、行う事業に合わせて定款目的を作成します。
定款目的の記載例
第3条 当法人は、障害者及びその家族が安心して地域生活を送ることができる社会の実現に寄与することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
1.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業
2.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく特定相談支援事業
3.児童福祉法に基づく障害児通所支援事業
4.前各号に附帯又は関連する一切の事業
実際の定款では、開設するサービスや将来の事業計画に合わせて内容を調整することが重要です。
また、定款の事業目的に求められる具体的な表現や取扱いは、指定権者によって異なる場合があります。
一般社団法人を設立する前に、事業所所在地を管轄する指定権者へ確認することをおすすめします。
4.一般社団法人の定款認証と電子定款

一般社団法人を設立する場合、設立時社員が定款を作成し、公証人による定款認証を受ける必要があります。
これは合同会社との大きな違いです。
合同会社は公証人による定款認証が不要ですが、一般社団法人は定款認証を受けた後、法務局へ設立登記を行います。
一般社団法人も電子定款を作成できる
一般社団法人についても、電子定款を作成することができます。
くまがい行政書士事務所では、障害福祉サービス事業を行う一般社団法人の電子定款作成に対応しています。
開設予定のサービスや将来の事業計画を確認し、障害福祉サービスの指定申請を見据えた事業目的をご提案します。
なお、一般社団法人の定款は、紙で作成した場合でも原則として印紙税の課税対象ではありません。
そのため、合同会社の電子定款のように「4万円の収入印紙を節約する」というメリットではなく、電子データによって定款作成・認証手続きを進められる点が特徴です。
また、法務局へ提出する法人設立登記の代理申請は司法書士の業務となるため、必要に応じて司法書士と連携して進めます。
5.一般社団法人設立から障害福祉サービス指定までの流れ

障害福祉サービスを一般社団法人で始める場合は、概ね次の順番で進めます。
共同生活援助、就労継続支援B型、生活介護、相談支援など、実施するサービスを決めます。
事業所の予定所在地をもとに、指定申請を行う指定権者を確認します。
大阪府内でも、事業所所在地によって申請先や事前協議の方法などが異なる場合があります。
一般社団法人を設立する前に、予定している事業目的で指定申請ができるか確認します。
設立後に事業目的の不足が判明すると、定款変更や変更登記が必要になる可能性があります。
法人名、目的、主たる事務所、社員、役員、事業年度などを定めて定款を作成します。
その後、公証人による定款認証を受け、法務局へ一般社団法人の設立登記を申請します。
法人設立後、物件、人員、設備、運営規程などを整えて指定申請を行います。
サービスによっては、正式な指定申請の前に事前協議が必要になる場合があります。
そのため、法人設立だけではなく、
法人設立 → 物件 → 人員 → 事前協議 → 指定申請
という開業全体のスケジュールを考えて進めることが大切です。
よくある質問

まとめ

障害福祉サービスは、一般社団法人でも運営することができます。
一般社団法人で開業を検討する場合は、特に次の点を確認しましょう。
・設立時社員が2名以上必要
・少なくとも1名の理事が必要
・社員への剰余金分配を目的としない
・公証人による定款認証が必要
・障害福祉サービスに対応した事業目的を記載する
・法人設立後に障害福祉サービスの指定申請が必要
特に重要なのが、指定申請を見据えて定款を作成することです。
先に法人だけを設立してしまい、後から定款の事業目的が不足していることが分かると、定款変更や変更登記が必要になる可能性があります。
一般社団法人を設立する段階から、開設する障害福祉サービスと指定権者を確認して準備を進めましょう。
障害福祉サービスの一般社団法人設立でお悩みの方へ
くまがい行政書士事務所では、障害福祉サービス事業を始める方を対象に、一般社団法人の電子定款作成に対応しています。
「共同生活援助を一般社団法人で始めたい」
「一般社団法人と合同会社のどちらがいいか分からない」
「障害福祉サービスに適した定款目的を作成してほしい」
「電子定款を作成してほしい」
「法人設立から指定申請までの流れを確認したい」
このような場合はご相談ください。
開設予定のサービスや将来の事業計画を確認し、障害福祉サービスの指定申請を見据えた定款作成をサポートします。
また、法人設立後の障害福祉サービス指定申請についても、指定権者との事前協議、物件・人員基準の確認、申請書類の作成までサポートしています。
法人設立後に定款の問題が判明することを防ぐためにも、一般社団法人を設立する前の段階からご相談ください。




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