就労継続支援B型の工賃向上計画とは?作成方法・提出・注意点を解説

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就労継続支援B型を開設・運営する際に確認しておきたい書類の一つに、「工賃向上計画」があります。

「指定申請のときに必要なの?」

「どのような内容を書けばいい?」

「開設したばかりで過去の工賃実績がない場合はどうする?」

といったご相談もあります。

大阪府では、就労継続支援B型事業所について、令和6年度から令和8年度までの各年度の目標工賃月額や、工賃向上に向けた具体的な方策などを盛り込んだ「事業所工賃向上計画」を作成し、提出するよう案内しています。

この記事では、就労継続支援B型の工賃向上計画について、作成方法や記載内容、提出時の注意点を解説します。

この記事を読んでわかること

  • 就労継続支援B型の工賃向上計画とは何か
  • 工賃向上計画に記載する主な内容
  • 目標工賃の考え方
  • 工賃向上計画を作成するときの注意点

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目次

1.就労継続支援B型の工賃向上計画とは?

工賃向上計画とは、就労継続支援B型事業所が、利用者へ支払う工賃を向上させるために、

「いつまでに、どの程度の工賃を目指し、そのためにどのような取組を行うのか」

を定めた計画です。

大阪府では現在、令和6年度から令和8年度までの3年間を対象とした事業所工賃向上計画を作成することとされています。

そもそも「工賃」とは?

就労継続支援B型では、生産活動によって得られた収入から、その生産活動に必要となった経費を控除した金額を、利用者へ工賃として支払うこととされています。

例えば、

・商品の製造・販売
・清掃作業
・農作業
・内職
・施設外での作業
・データ入力
・軽作業

などによって得られた生産活動収入から必要経費を差し引き、その収益を利用者の工賃につなげていきます。

したがって、工賃を向上させるためには、単純に「工賃を上げる」という目標だけではなく、

売上をどのように増やすのか、経費をどのように見直すのか、利用者が参加できる仕事をどのように確保するのか

といった事業所全体の取組が重要になります。

2.工賃向上計画には何を書く?

工賃向上計画では、主に各年度の目標工賃と、その目標を実現するための具体的な取組を記載します。

大阪府では、令和6年度から令和8年度までの各年度の目標工賃月額や、工賃向上に向けた具体的方策などを計画に盛り込むこととしています。

例えば、次のような内容を整理します。

各年度の目標工賃

現在の平均工賃月額などを確認し、3年間でどの程度の工賃を目指すのか設定します。

例えば、

令和6年度 18,000円
令和7年度 20,000円
令和8年度 22,000円

というように、年度ごとの目標を設定します。

ただし、単純に高い数字を設定すればよいわけではありません。

現在の売上、利用者数、生産能力、受注状況、職員体制などを踏まえて、実現可能性のある目標を設定することが大切です。

工賃を向上させるための具体的な取組

目標額だけではなく、その目標を達成するために何をするのかを具体的に考えます。

例えば、

・新しい作業の受注先を開拓する
・自主製品の販売先を増やす
・インターネット販売を始める
・施設外就労先を開拓する
・作業工程を見直して生産性を向上させる
・原材料費や外注費を見直す
・利用者の特性に合った作業を増やす
・地域企業との連携を強化する

などが考えられます。

「売上を増やす」といった抽象的な内容だけではなく、

誰が・何を・どのように取り組むのか

まで検討しておくと、実際の事業運営にも活用しやすい計画になります。

3.工賃向上計画の作り方

工賃向上計画を作成するときは、いきなり目標金額を決めるのではなく、現在の状況を分析することから始めましょう。

STEP
現在の工賃実績を確認する

まず、前年度の平均工賃月額などを確認します。

指定就労継続支援B型事業者は、年度ごとに工賃の目標水準を設定し、前年度に利用者へ支払った工賃の平均額とともに利用者へ通知し、都道府県へ報告することが求められています。

過去の実績を確認することで、「工賃が上がっているのか」「売上は増えているのに工賃が上がっていないのか」「経費が増えているのか」などを分析できます。

STEP
生産活動の収支を確認する

次に、

・年間売上
・材料費
・外注費
・その他の生産活動経費
・利用者数
・作業時間
・現在の工賃額

などを確認します。工賃だけを見るのではなく、生産活動全体の収支を見ることが重要です。

STEP
目標工賃を設定する

現状を把握したら、各年度の目標工賃を設定します。

前年実績から大きく離れた目標を設定するのではなく、新規受注や販売拡大などの具体的な取組と結び付けて設定しましょう。

STEP
具体的な取組を決める

目標工賃を達成するための施策を決めます。

例えば、「地域企業へ毎月5社営業し、新たな施設外作業を年間2件確保する」など、可能であれば数値を使って具体的にすると進捗管理がしやすくなります。

STEP
計画を提出する

大阪府では、事業所工賃向上計画を大阪府行政オンラインシステムから提出します。

また、大阪府では提出した計画をPDF形式でダウンロードできるため、事業所での掲示などにも使用できます。

よくある質問

開設したばかりで前年度実績がありません

新規開設事業所の場合は、自事業所の前年度実績がありません。

予定する利用者数、生産活動、売上、経費、作業時間などをもとに、現実的な目標工賃を設定していきます。

工賃向上計画を作成しないとどうなりますか?

就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)~(Ⅲ)では、工賃向上計画の作成が施設基準に含まれています。

算定する基本報酬との関係がありますので、必ず確認してください。

まとめ

就労継続支援B型の工賃向上計画は、利用者へ支払う工賃を向上させるため、目標工賃と具体的な取組を定める計画です。

大阪府では現在、令和6年度から令和8年度までを計画期間とする事業所工賃向上計画が運用されています。

作成するときは、特に次のポイントを確認しましょう。

・現在の工賃実績を把握する
・生産活動の売上と経費を整理する
・年度ごとの目標工賃を設定する
・工賃向上のための具体的な施策を決める
・新規開設事業所は開設時に提出する
・毎年度、実績を確認して必要に応じて見直す
・計画や工賃実績をホームページ等で公表する

工賃向上計画は、単なる行政提出用の書類ではありません。

事業所の生産活動をどのように成長させ、それを利用者の工賃向上につなげるのかを考えるための事業計画でもあります。

就労継続支援B型の開設・工賃向上計画でお悩みの方へ

くまがい行政書士事務所では、就労継続支援B型の新規開設・指定申請をサポートしています。

「工賃向上計画の作り方が分からない」

「新規開設なので目標工賃をどのように設定すればよいか分からない」

「予定している生産活動で収支が成り立つか整理したい」

「指定申請と一緒に工賃向上計画も確認してほしい」

このような場合はご相談ください。

就労継続支援B型の指定申請では、人員基準や設備基準だけでなく、生産活動、工賃、収支計画なども重要になります。

くまがい行政書士事務所では、開設予定の事業内容を確認しながら、指定申請から工賃向上計画などの開業時に必要となる書類までサポートしています。

就労継続支援B型の開設を検討されている方は、物件契約や職員採用を進める前の段階からご相談ください。

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行政書士 熊谷辰裕
この記事を書いた人

障害福祉専門の行政書士
【資格】
・精神保健福祉士
・行政書士
【略歴】
・大阪府貝塚市
・精神科病院PSWの経験と元地方公務員の経験を活かし、障がい福祉専門の行政書士として、令和8年5月より行政書士事務所登録し開業。
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