放課後等デイサービスの開業時に申請するべき加算とは?行政書士が解説

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放課後等デイサービスを開業するとき、指定申請と一緒に確認しておきたいのが「どの加算を算定するか」です。

放課後等デイサービスでは、児童指導員や保育士を基準より多く配置したり、PT・OT・STなどの専門職を配置したりすることで、加算を算定できる場合があります。

しかし、「指定申請が終わってから加算を考えればいい」と考えていると、せっかく職員を配置しているのに加算の届出をしていなかったり、反対に加算を取得するために必要以上の人件費がかかったりすることがあります。

特に人員配置に関係する加算は、職員を採用する前から検討しておくことが重要です。

この記事では、放課後等デイサービスを新規開業する際に、特に確認しておきたい加算を5つに絞って解説します。

なお、加算には事前の体制届が必要となるものだけでなく、実際の支援内容等に応じて算定するものもあります。「申請する加算」だけではなく、「開業時点で算定方法を決めておきたい加算」という視点で確認しましょう。

この記事を読んでわかること

この記事では、次の内容を解説します。

  • 放課後等デイサービスの開業時に確認したい加算
  • 児童指導員等を多く配置する場合の加算
  • 専門職を配置する場合の加算
  • 延長支援を行う場合の考え方
  • 送迎を行う場合のポイント
  • 加算を考えるタイミング

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目次

放課後等デイサービスの開業時に確認したい5つの加算

一般的な放課後等デイサービスを開業する場合、まず確認しておきたいのは次の5つです。

  • 福祉・介護職員等処遇改善加算
  • 児童指導員等加配加算
  • 専門的支援体制加算
  • 延長支援加算
  • 送迎加算

すべての事業所が5つすべてを算定する必要はありません。

事業所の支援方針、職員配置、営業時間、送迎体制などを確認し、自事業所に必要な加算を選ぶことが重要です。

1.福祉・介護職員等処遇改善加算

放課後等デイサービスを開業する場合、まず検討したいのが福祉・介護職員等処遇改善加算です。

職員の賃金改善や職場環境の改善などに取り組む事業所を評価する加算です。

令和8年度報酬改定では処遇改善加算が拡充され、2026年6月から対象職員の範囲や加算区分等について見直しが行われています。放課後等デイサービスについても令和8年度の加算率が設定されています。

算定する区分に応じて、

  • 賃金改善
  • キャリアパス
  • 昇給の仕組み
  • 研修や人材育成
  • 職場環境の改善

などの要件を確認する必要があります。

開業後になってから考えるのではなく、給与体系や賃金規程を作る段階から検討しておくことがポイントです。

特に新規開業では、処遇改善加算を前提とせずに給与額を決めてしまい、後から賃金改善の方法について悩むケースがあります。指定申請、人員配置、給与設計、処遇改善加算はできるだけ同時に検討しましょう。

2.児童指導員等加配加算

放課後等デイサービスの開業時に特に確認したいのが、児童指導員等加配加算です。

基本報酬の算定に必要となる職員を配置したうえで、さらに児童指導員や保育士などを加配し、所定の要件を満たす場合に算定を検討できます。

この加算では、追加する職員について、

  • 資格
  • 児童福祉事業等での経験
  • 常勤か非常勤か
  • 専従か兼務か
  • 勤務時間

などを確認することが重要です。

そのため、単純に「職員を1人多く採用すれば取れる加算」と考えないようにしましょう。

採用する前に実務経験を確認する

児童指導員等加配加算では、配置する職員の経験等によって算定区分が変わる場合があります。

そのため、採用予定者については履歴書だけでなく、必要に応じて前職の勤務先から実務経験証明書を取得します。

開業後に、「この職員は対象となる経験を持っていたのに確認していなかった」とならないよう、採用段階で加算まで確認することが重要です。

放課後等デイサービスでは、「誰を採用するか」が人件費だけでなく報酬にも影響します。

3.専門的支援体制加算

専門性を活かした支援を行う予定であれば、専門的支援体制加算についても確認しましょう。

例えば、

  • 理学療法士(PT)
  • 作業療法士(OT)
  • 言語聴覚士(ST)
  • 制度上対象となる一定の経験を有する保育士や児童指導員等

などを配置する場合に算定を検討できる加算です。

ただし、専門職を採用すれば自動的に加算を算定できるわけではありません。基本報酬の算定に必要な人員を確保したうえで、加算として必要な配置になっているかを確認します。

児童指導員等加配加算との関係に注意

特に注意したいのが、児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算を両方算定する場合です。

同じ1人の職員を単純に両方の「追加配置職員」として数えればよいわけではありません。

例えば、「基準人員2名+専門職1名だから、加配加算と専門的支援体制加算の両方を取れる」と単純に判断すると、配置要件を満たしていない可能性があります。

開業前に勤務形態一覧表を作成して、「基準人員として誰を数えるのか」「加配職員として誰を数えるのか」「専門的支援体制の職員として誰を配置するのか」を整理しておくことが重要です。専門的支援関係の加算については、個別支援計画等との関係も含めて制度上の要件が定められています。

4.延長支援加算

保護者の就労などにより長時間の支援ニーズが見込まれる場合は、延長支援加算についても検討します。

放課後等デイサービスでは、個別支援計画に定める支援時間を踏まえ、一定の要件のもとで計画的に延長支援を実施した場合に加算を算定できる仕組みがあります。

学校のある日の放課後等デイサービスでは、基本報酬上の支援時間3時間を超える部分について、一定の条件を満たす場合に延長支援加算の対象となります。学校休業日については5時間が基準となります。

例えば、「保護者の仕事が終わる18時30分まで支援したい」「長期休暇中は朝から夕方まで利用できるようにしたい」という事業所であれば、開業時から検討しておきたい加算です。

ただし、単に営業時間を長く設定すれば算定できるわけではありません。

延長支援を行うのであれば、

  • 個別支援計画への位置付け
  • 延長支援を必要とする理由
  • 延長時間帯の職員配置
  • 実際に行った延長時間の記録

などを適切に管理する必要があります。

人件費とのバランスを見る

延長支援加算を算定するために夕方以降も職員を配置すると、人件費も増えます。

そのため、「延長支援加算を取れるから営業時間を長くする」のではなく、「保護者のニーズがあるか」「職員配置ができるか」「加算収入と人件費が見合うか」まで確認して営業時間を決めることが重要です。

5.送迎加算

放課後等デイサービスでは、学校から事業所、事業所から自宅への送迎を行うケースが多くあります。

一般的な障害児を対象とした送迎加算は、送迎を実施した場合に片道単位で評価される仕組みです。医療的ケア児や重症心身障害児については、一定の要件を満たした場合に追加評価も設けられています。

送迎を予定している場合は、加算だけでなく、

  • どこまで送迎するのか
  • どの学校へ迎えに行くのか
  • 自宅まで送るのか
  • 使用する車両
  • 運転担当者
  • 添乗する職員
  • 事故発生時の対応
  • 車両保険
  • 置き去り防止対策

なども開業前に決めておきましょう。

特に注意したいのが送迎範囲です。開業時に、「利用者を増やしたいので広い地域まで送迎します」としてしまうと、利用者が増えた後に送迎だけで長時間を要し、職員配置が回らなくなることがあります。

送迎加算だけを見るのではなく、送迎に必要な職員の人件費やガソリン代、車両費まで含めて考えることが重要です。

加算は職員を採用する前に考える

放課後等デイサービスの開業では、次の順番で考えると分かりやすくなります。

  • どのような療育・支援を行うか決める
  • 営業時間・サービス提供時間を決める
  • 基準上必要となる職員数を確認する
  • 算定したい加算を検討する
  • 必要な資格・経験を持つ職員を採用する
  • 勤務形態一覧表を作成する
  • 基本報酬と加算を含めて収支を確認する
  • 指定申請・必要な加算届を行う

届出によって算定する加算については、国の留意事項通知上、原則として毎月15日以前の届出で翌月から、16日以降の届出で翌々月から算定開始とされています。新規指定時は、指定権者が定める指定申請・加算届の期限を事前に確認しておきましょう。

よくある質問

放課後等デイサービスを開業するとき、どの加算から確認すればいいですか?

一般的な放課後等デイサービスであれば、まず次の5つを確認するとよいでしょう。

福祉・介護職員等処遇改善加算、児童指導員等加配加算、専門的支援体制加算、延長支援加算、送迎加算です。

特に児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算は職員採用に影響するため、早めに確認することをおすすめします。

加算は開業後からでも申請できますか?

要件を満たして必要な届出をすれば、開業後から算定できる加算もあります。

ただし、届出前の期間に自由にさかのぼって算定できるわけではありません。届出時期によって算定開始月が変わるため、開業初日から算定したい加算は指定申請と同時期に確認しておくことが重要です。

まとめ

放課後等デイサービスを開業するときに、まず確認しておきたい加算は次の5つです。

  • 福祉・介護職員等処遇改善加算
  • 児童指導員等加配加算
  • 専門的支援体制加算
  • 延長支援加算
  • 送迎加算

特に放課後等デイサービスでは、「誰を採用するか」が取得できる加算や事業所の収支に影響することがあります。

指定基準を満たすことだけを考えるのではなく、「人員配置」「取得する加算」「人件費」「支援内容」をセットで考えることが重要です。

放課後等デイサービスの指定申請・加算届でお困りの方へ

「この職員配置で加配加算を算定できる?」「児童指導員の実務経験が何年になるか確認したい」「PT・OT・STを採用すると、どの加算を検討できる?」「延長支援を行うべきか、人件費も含めて考えたい」「指定申請と加算届をまとめて確認してほしい」

このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

くまがい行政書士事務所では、元地方公務員として障害福祉サービスに関する業務に携わった経験と、精神保健福祉士としての視点を活かし、放課後等デイサービスの人員配置・加算・指定申請まで含めた開業準備をサポートしています。

開業後に「この職員配置なら加算を取れたのに」とならないよう、採用予定者の資格や実務経験、営業時間、送迎体制などを確認したうえで、開業時に検討する加算を整理します。

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行政書士 熊谷辰裕
この記事を書いた人

障害福祉専門の行政書士
【資格】
・精神保健福祉士
・行政書士
【略歴】
・大阪府貝塚市
・精神科病院PSWの経験と元地方公務員の経験を活かし、障がい福祉専門の行政書士として、令和8年5月より行政書士事務所登録し開業。
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