障害福祉事業所の加算を取り忘れたらどうなる?後から遡って請求できる?
大阪・泉州地域を中心に、障害福祉サービス事業所の立ち上げや運営をサポートする「くまがい行政書士事務所」です。
障害福祉事業所を運営していると、「算定できる加算があることに後から気付いた」「加算届を提出するのを忘れていた」「届出はしていたけれど、国保連への請求で加算を付け忘れた」ということがあります。
このとき気になるのが、「過去に遡って加算を請求できるのか?」という点です。
結論からいうと、加算の種類や「何を忘れていたのか」によって対応が異なります。
特に重要なのは、①行政への加算届そのものを忘れていた場合と、②届出は済んでいたが、請求だけを忘れていた場合を分けて考えることです。
この記事では、障害福祉サービスの加算を取り忘れた場合の対応について解説します。
この記事を読んでわかること
- 加算届を忘れた場合に遡って算定できるのか
- 届出が遅れた場合の算定開始時期
- 請求だけを忘れた場合の対応
- 過誤申立てとは何か
1.加算届を忘れていた場合は原則として遡れない

まず注意したいのが、事前の届出が必要な加算について、届出そのものを忘れていた場合です。
障害福祉サービスでは、算定単位数が増える加算について、原則として、
- 毎月15日以前に届出 → 翌月から算定
- 16日以降に届出 → 翌々月から算定
という取扱いになっています。厚生労働省の現行の留意事項でも、この算定開始時期が示されています。
例えば、7月から算定できる人員配置になっていたとしても、加算届を提出したのが7月20日だった場合、原則として7月分に遡って算定することはできません。
「実際には要件を満たしていたから」という理由だけで、過去に遡って加算を請求できるわけではないため注意が必要です。
2.「届出済みで請求だけ忘れた」場合は対応が異なる

一方で、行政へ必要な加算届は提出済みで、算定要件も満たしていたものの、国保連への請求時に加算を付け忘れたという場合は話が変わります。
この場合は、過去の請求内容を修正できる可能性があります。
例えば、「児童指導員等加配加算の届出は済んでいたが、1か月分だけ請求ソフトの設定を忘れていた」「送迎加算の算定対象だった利用者について請求漏れがあった」といったケースです。
すでに支払が確定している請求を修正する場合には、自治体へ過誤申立てを行い、いったん請求を取り下げたうえで、正しい内容で再請求する方法があります。
ただし、「加算届を出していない期間まで過誤申立てで遡れる」という意味ではありません。ここは非常に重要な違いです。
3.届出が必要ない加算の場合は?
障害福祉サービスの加算には、すべて事前の体制届が必要なわけではありません。
例えば
- 初回加算
- 欠席時対応加算
- 利用者負担上限額管理加算
など、一部の加算について「届出不要」な加算もあります。
このような加算については、対象となるサービス提供月に算定要件を満たし、必要な記録が残っているのであれば、請求漏れを修正できる可能性があります。
ただし、「後から記録を作ればよい」という意味ではありません。
例えば欠席時対応加算であれば、欠席連絡を受けた際に必要な相談援助を行い、その内容を記録していることが重要です。
加算要件を満たしていなかったものを、後から書類だけ整えて請求することはできません。
4.過誤申立てとは?

過誤申立てとは、すでに国保連で審査・支払が確定した請求を一度取り下げる手続きです。
その後、正しい内容でもう一度請求します。概ね次の流れです。
- 事業所から市町村等へ過誤申立て
- 市町村から国保連合会へ過誤情報を送信
- 元の請求を取り下げ
- 事業所から正しい内容で再請求
過誤申立ては、利用者ごと・サービス提供年月ごとに行います。
また、一部分だけを取り下げるのではなく、対象となる利用者のその月の請求全体が取り下げられるため、再請求時には加算以外の請求内容についても確認が必要です。
5.例外的に遡って算定できることもある
原則として、届出が必要な加算を届出前の期間へ遡って算定することはできません。
ただし、制度改正時や前年度実績によって4月からの算定区分が決まる加算などについて、国や自治体が特例的な提出期限を設けることがあります。
「絶対に遡れない」と判断するのではなく、制度改正年度などの場合は、指定権者から特例通知が出ていないか確認することも重要です。
よくある質問

まとめ

障害福祉事業所で加算を取り忘れた場合は、「加算届を忘れたのか」それとも、「届出は済んでいて請求だけを忘れたのか」によって対応が大きく異なります。
事前届出が必要な加算について、届出自体を忘れていた場合は、原則として過去へ遡って算定することはできません。
一方で、加算届が済んでいて、要件も満たしていたにもかかわらず請求だけ漏れていた場合は、過誤申立てや再請求によって修正できる可能性があります。
加算は事業所の売上にも大きく影響します。
毎年の報酬改定、職員の入退職、資格取得、利用者の状態変化などをきっかけに、現在算定できる加算に漏れがないか定期的に確認することが重要です。
障害福祉事業所の加算届でお困りの方へ
くまがい行政書士事務所では、元地方公務員として障害福祉サービスに関する業務に携わった経験と、精神保健福祉士としての視点を活かし、障害福祉事業所の加算届や人員配置、運営書類の確認をサポートしています。
加算は「取れることに気付くこと」だけではなく、適切な時期に届出を行い、要件を満たした状態で正しく請求することが重要です。




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