【それって本当に子どものため??親権について】~行政書士合格者が詳しく解説~

民法

行政書士試験合格に必要な知識の中から皆さんの日常生活にかかわり合いのある民法についてご紹介していけたらと思います。行政書士は争いのある法律行為は行えませんが、様々な法律を駆使した権利義務に関する書類の作成や事実証明に関する書類の作成を行います。その中で民法とは一般私法であり、人間の社会生活における個人の財産関係や家族関係を規律するルールの役割があります。
 今回は民法の親族法の部分、特に親権について記事を書きたいと思います。皆さんは子供への親権はイメージがつくと思いますが、子供の利益を親が自分の利益のために利用してしまう利益相反行為というのは聞いたことがないかもしれません。親が子供のためにすることが日本の文化であるため、利益相反行為を行う親は悪といったイメージがあるからです。今回はそんな親権について説明をします。
この記事は、法律に興味がある方、行政書士試験の合格を目指す方などに参考になる内容になっています。

親権とは

親権とは、親が未成年の子に対して持つ身分上・財産上の監督及び保護を内容とする権利義務のことです。具体的には監護及び教育、居所の指定、職業の許可、財産の管理等に関する権利を指します。

親権の行使者

親権は父母の婚姻中は父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行うことになります。父母が離婚するときは、その一方だけが親権者となります。つまり、協議離婚の場合は協議によって一方を親権者と定め、協議が整わないときには、家庭裁判所が協議に代わる審判に代わる審判により定めます。子が出生する前に離婚した場合には母が親権者となります。

親権の内容

①身上監護
親権を行う者は子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負います。

②財産管理
親権を行う者は、子の財産を管理し、かつその財産に関する法律行為についてその子を代表します。これを法定代理権といいます。

法定代理について
法定代理人には4つの権限があります。①代理権(未成年の代わって法律行為を行う)②同意権(同意を得てした行為は取り消せない)③取消権(未成年の行った法律行為を初めから無かったことにする)④追認権(同意がない法律行為を追認し確定的に有効な法律行為にする。その後の取り消しは出来ない)
しかし、未成年者単独でも①単に権利を得たり、義務を免れるべき法律行為(贈与や債務の免除)②法定代理人が目的を定めて処分を許した財産をその目的の範囲内で処分したり、または目的を定めないで許した財産の処分をすること(特定の旅費としての金銭やお小遣い)③法定代理人から営業を許された場合、その営業に関する法律行為は行うことが出来ます。

親権を行う際の注意
親権を行う者は自己のためにするのと同一の注意をもって、その管理権を行使することとされています。

利益相反行為

親権は本来、子の利益のために行使するべきものです。しかし、親権者が法定代理人としてこのために法律行為を行う場合に親権者と子の利益が相反する場面もあります。例えば、子の財産を親権者に譲渡する行為、子を親権者の借金の連帯債務者や保証人にする契約をいいます。そのような場合、親といえども自分の利益を優先させ、子の不利益となるような行為をすることがないとは言えません。そこで、親権者と子の利益の相反する行為については、子の利益を保護するため、親権者の請求により家庭裁判所の選任した特別代理人に行わせることが義務づけられています。

利益相反行為に当たるかどうかは親権者が子を代理してなした行為自体を外形的客観的に考察して判定すべきであって、当該代理行為をなすについての親権者の動機や意図をもって判断すべきでないとされています。

利益相反行為に当たるもの
①第三者の金銭債務にんついて、親権者が自ら連帯保証をするとともに、子の代理人として同一債務について連帯保証をし、かつ、親権者と子が共有する不動産について抵当権を設定する行為
②親権者が共同相続人である数人の子を代理してなした遺産分割協議

当たらないもの
親権者が未成年の子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為

利益相反行為の効力
親権者が子を代理してした行為は無権代理行為となります。子が成年に達した後に、これを追認することが出来ます。

親権の喪失

父母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父母による親権の行使が著しく困難または不当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官の請求により、その父母について親権喪失の審判をすることが出来ます。また、親権の停止の審判もあります。なお停止する場合は2年を超えない範囲で期間を定めます。

未成年後見人

未成年後見は未成年者に対して親権を行う者がないとき、または親権を行う者が管理権を有しない時に開始します。未成年者に対して最後に親権を行う者は遺言で未成年後見人を指定することが出来ます。この遺言による指定がないときや未成年後見人が欠けたときは、本人または親族その他利害関係人の請求によって家庭裁判所が未成年後見人を選任します。法人であっても構わないとされています。

未成年後見の職務は親権者と同じで監護及び教育、居所の指定、職業の許可、財産の管理等に関する権利を行います。

まとめ

今回は親権についてまとめてみました。親権とは両親が子のために行う権利です。そんな子供の権利保護であるはずの親権を利用し、利益相反行為が起きていないか注意していきたいですね。

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