【扶養について/民法・社会保険・所得税に分けて解説】

民法

行政書士試験合格に必要な知識の中から皆さんの日常生活にかかわり合いのある民法についてご紹介していけたらと思います。行政書士は争いのある法律行為は行えませんが、様々な法律を駆使した権利義務に関する書類の作成や事実証明に関する書類の作成を行います。その中で民法とは一般私法であり、人間の社会生活における個人の財産関係や家族関係を規律するルールの役割があります。
 今回は民法の親族法の部分、扶養について記事を書きたいと思います。皆さんは家族の扶養と聞くとどのようなことを思い浮かべますか??税金の配偶者や子供の扶養、社会保険の扶養などを思い浮かべるかもしれません。今回は民法での扶養社会保険での扶養所得税での扶養、それぞれについて説明していきます。
この記事は、法律に興味がある方、行政書士試験の合格を目指す方などに参考になる内容になっています。

民法の扶養とは

基本的には、自らの生計を自ら立てていくのが原則ですが、失業、病気、高齢等の事情により、自らの生計を維持していくことの困難な人々が存在するため親族関係にある者が、生計の資を与えて救済する制度です。民法では扶養義務者の範囲、順位、程度、方法等に関して規定しています。

扶養義務者の範囲

①直系血族と兄弟姉妹間
直系血族と兄弟姉妹間にある者はお互いに扶養する義務があります。例えば、親は子供を、子供は親を、兄弟が困窮した時は家族間で支えなければなりません。また、養子と養親、異母異父兄弟姉妹も同じく相互の扶養関係があります。

②直系血族と京大姉妹の3親等以内の親族間
直系血族と京大姉妹の3親等以内の親族間にある者は、法律上当然に扶養義務を負うのではなく、特別の事情がある場合において、家庭裁判所の審判によって扶養の義務を負わされたときに、扶養をする義務を負います。3親等以内とは甥や姪が含まれるということです。

扶養の順位

扶養をする義務のある者が数人ある場合は、誰が具体的な扶養義務を負うかは、当事者間の協議で決めるのが原則です。しかし協議が調わない場合は家庭裁判所が定めることになります。

扶養の程度・方法

扶養の程度や方法についても扶養義務者の協議によって定めるのが原則です。しかし協議が調わない場合は家庭裁判所が定めることになります。

社会保険における扶養

健康保険の扶養とは、未成年や高齢者、失業者など収入が少ない親族や一人で生計を立てることが難しい親族を援助する仕組みです。扶養に入った方は「被扶養者」と呼び、被扶養者は健康保険料を納付する必要がなくなります。

扶養の範囲

基本的に扶養する人である被保険者とその配偶者の第三親等までです。被保険者の収入で生計を維持されているならば、同一世帯であるかどうかは問われません。

社会保険の扶養に入る条件

  • 被保険者の年収の半分未満の収入であること(同一世帯の場合)。
  • 被扶養者の年間収入が原則130万円未満であること。ただし、被扶養者が60歳以上または障害者である場合は、年間収入180万円未満であること。

所得税における扶養

所得税の扶養控除には配偶者以外の親族が対象となる「扶養控除」と、配偶者が対象となる「配偶者控除」「配偶者特別控除」があります。

扶養の範囲

扶養控除の対象となる親族の範囲は、6親等内の血族と3親等内の婚姻によってできた親族までです。具体的には、自分の兄弟や叔父、叔母はもちろん、4親等となる祖父母の兄弟や6親等に該当する従兄弟の孫、3親等の姻族である義理の甥と姪(配偶者の兄弟の子ども)まで含まれます。

所得税における扶養に入る条件

配偶者控除
・民法上の規定で配偶者と認められていること(内縁関係の人は該当しません)
・扶養者と生計を一にしていること
・1年間の所得額が48万円以下であること(給与のみの場合は、年収103万円以下)
・青色申告者の事業専従者として年間に一度も給与の支払いを受けていない、または白色申告の専業専従者ではないこ

配偶者控除
・扶養者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること
・民法上の規定で配偶者と認められていること(内縁関係の人は該当しません)
・扶養者と生計を一にしていること
・青色専従者給与を受けていない、または白色専従者ではないこと
・年間に受け取った合計所得が48万円超133万円以下であること
・配偶者が配偶者特別控除を適用していないこと
・配偶者が給与所得者の「源泉控除対象配偶者がある居住者」として源泉徴収されていないこと

扶養者控除
控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。(1) その年12月31日現在の年齢が16歳以上30歳未満の人
(2) その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人
(3) その年12月31日現在の年齢が30歳以上70歳未満の人であって次に掲げるいずれかに該当する人イ 留学により国内に住所および居所を有しなくなった人
ロ 障害者である人
ハ 納税者からその年において生活費または教育費に充てるための支払を38万円以上受けている人

控除の金額

配偶者控除

控除を受ける納税者本人の
合計所得金額
控除額
一般の控除対象配偶者老人控除対象配偶者
900万円以下38万円48万円
900万円超950万円以下26万円32万円
950万円超1,000万円以下13万円16万円
国税庁ホームページ参照

配偶者が障害者の場合には、配偶者控除の他に障害者控除27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)が控除できます。

配偶者特別控除

令和2年分以降
 控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下









48万円超 95万円以下38万円26万円13万円
95万円超 100万円以下36万円24万円12万円
100万円超 105万円以下31万円21万円11万円
105万円超 110万円以下26万円18万円9万円
110万円超 115万円以下21万円14万円7万円
115万円超 120万円以下16万円11万円6万円
120万円超 125万円以下11万円8万円4万円
125万円超 130万円以下6万円4万円2万円
130万円超 133万円以下3万円2万円1万円
国税庁ホームページ参照

扶養者控除

一般の控除対象扶養親族38万円
特定扶養親族63万円
老人扶養親族同居老親等以外の者48万円
同居老親等58万円
国税庁ホームページ参照

まとめ

今回は民法の扶養から少し派生して、社会保険や所得税などさまざまな観点から扶養について説明してみました。扶養といっても様々な社会保障があることが分かると思います。なお、社会保険制度や所得税の扶養の条件は年度によっても改正されるため、国のホームページで確認してくださいね。

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