【就労B型】「当日欠席」で売上が激減…!通所を安定させ、経営と支援を両立する3つの秘策

こんにちは。 大阪で、障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。
就労継続支援B型の経営者様から、最も多く寄せられる悲鳴。 それは、朝の送迎前に鳴る電話です。
「すみません、今日もしんどいので休みます…」
利用者さんの体調が悪いのは仕方がないことです。 しかし、経営者としては「1人の欠席=約6,000円〜7,000円の減収」が頭をよぎります。 特に、メンタルの波がある利用者さんが多い事業所では、天候や気圧の変化で一斉に休みになり、「家賃も払えないほど稼働率が落ちる月」が出てきてしまいます。
「来てください」と強く言えば「虐待・強要」になりかねない。 でも、来てもらわないと事業所が潰れる。
この板挟みを脱却するために、多くの「安定している事業所」が実践している3つのアプローチをご紹介します。
✅ この記事を読んでわかること
- 【制度】 欠席を「売上」に変える「在宅就労」の裏技
- 【環境】 「朝が無理なら昼から」通所のハードルを下げる工夫
- 【連携】 一人で抱え込まない「医療・相談員」とのタッグ
【シミュレーション】「欠席」vs「在宅・短時間」

まず、精神論の前に「数字」の現実を見てみましょう。 定員20名の事業所で、5人の利用者が月に5日ずつ「当日欠席」をした場合と、それを「在宅就労」や「短時間利用」に切り替えた場合の差額です。 (※基本報酬+処遇改善系加算=1日約6,500円と仮定)
- パターンA:そのまま欠席させた場合
- 売上:0円
- 結果:月額 約16万円の損失
- パターンB:在宅・短時間に切り替えた場合
- 売上:6,500円 × 5人 × 5日 = 162,500円
- 結果:年間で約200万円の売上アップ
いかがでしょうか? 「無理に来させる」のではなく、「来られない時の受け皿」を作るだけで、年間200万円もの差が生まれます。これはスタッフ1人を雇用できる金額です。
では、具体的な「受け皿」の作り方を見ていきましょう。
「当日欠席」で売上が激減…対応策

「利用者さんの気持ちに寄り添いましょう」 「電話掛けを強化しましょう」
研修やセミナーに行くと、よく精神論を言われますが、正直なところ、それだけで解決するなら苦労はしませんよね。
スタッフが疲弊するほど電話をかけても、来られない時は来られません。 むしろ、無理なアプローチは利用者さんとの信頼関係を壊し、退所(解約)のリスクさえ高めてしまいます。
重要なのは、「頑張って来させること」ではありません。 「体調に波があること」を前提とした上で、それでも売上が立つ「仕組み(制度)」を作ることです。
では、賢い事業所は具体的にどんな「制度」を使っているのか? 明日から導入できる3つのアプローチを見ていきましょう。
策①:最強の切り札「在宅就労」の導入
これが最も即効性があり、経営を救う手法です。 「通所できないなら、家で作業してもらえばいい」のです。
実は、要件さえ満たせば、自宅での作業も「通所」と同じように報酬を請求できます。
- 対象: 通所が困難で、自宅なら作業可能な方(引きこもり傾向、対人不安など)。
- 方法: PC作業や、軽作業の部材を自宅に配送して行ってもらう。
- メリット:
- 利用者: 無理して外出せず、自分のペースで仕事ができる。
- 事業所: 「欠席(0円)」が「出席扱い」になり、売上が立つ。
「朝起きて雨が降っているから行けない」という方でも、「家でシール貼りならできる」というケースは多々あります。 これを導入するには、運営規程の変更や、支援機関との協議が必要ですが、経営安定化の特効薬になります。
策②:「1時間でもOK」スモールステップの提案
「10時から15時まで、きっちり作業しないといけない」 このプレッシャーが、欠席の引き金になっていることがよくあります。
欠席が続く利用者さんには、思い切ってハードルを下げましょう。
- 「昼食を食べに来るだけでもOK」
- 「午後からの1時間だけでもOK」
- 「工賃はいらないから、座っているだけでもOK」
経営的には「1時間の滞在」でも「5時間の滞在」でも、基本報酬(1日分の単価)は同じです(※短時間利用減算のルールはありますが、0円よりは遥かにマシです)。
まずは「事業所に来る」というリズムを作ってもらうこと。 「あそこなら、しんどくても行っていいんだ」という安心感が、結果的に週3回、週5回への安定通所に繋がります。
策③:医療・相談支援専門員を巻き込む
欠席が続く利用者さんに対して、事業所だけで「どうしたの?来てね」と電話をし続けるのは、逆効果になることがあります。
対応に困ったら、すぐに相談支援専門員や、主治医との連携(カンファレンス)を求めてください。
- 「今の薬が合っていないのではないか?」
- 「個別支援計画の目標が高すぎるのではないか?」
これらを第三者(医療・相談員)と一緒に見直します。 特に、「事業所から言われるとプレッシャーだが、お医者さんに言われたら納得する」という利用者さんは多いです。 「事業所の責任」で抱え込まず、「チーム」で支える体制を作ることで、スタッフの精神的負担も軽くなります。
【現場向け】利用者の心を軽くする「魔法の声かけ」

最後に、スタッフさんが今日から使える「電話対応」のコツをお伝えします。 欠席連絡を受けた時、ついこんな風に言っていませんか
NGワード 「明日は来れますか?」 「みんな待ってますよ」 「作業が遅れてるから来てほしいな」
これらは全て、利用者さんにとって**「プレッシャー」**でしかありません。「期待に応えられない自分」を責め、ますます行けなくなってしまいます。
OKワード(魔法の言葉) 「連絡してくれてありがとう」 「いつでも席は空けてあるから、気が向いたらおいで」 「ご飯のメニュー、明日はカレーだよ」
ポイントは「通所の決定権を利用者に委ねる(コントロール感を持たせる)」こと、「あなたの居場所はずっとある」と伝えることです。 この安心感こそが、遠回りのようで一番の近道です。
よくある質問

就労継続支援B型における「利用者さんの当日欠席」についてよくある質問をまとめました。
まとめ:経営の安定は「選択肢の多さ」で決まる

「利用者が来ないのは、うちの魅力がないからだろうか…」 そうやって自分たちを責めるのは、今日で終わりにしましょう。
障害特性上、どうしても体調に波があるのは仕方のないことです。 だからこそ、真正面から「来るか、来ないか」で勝負するのではなく、「来られなくても繋がれる仕組み」をいくつ持てるかが、経営の明暗を分けます。
- 在宅就労という選択肢
- 短時間利用という選択肢
- 医療連携による調整
この3つの矢を持っていれば、朝の欠席電話に動じることはなくなります。 むしろ、「今日は調子が悪いなら、在宅に切り替えましょうか?」と余裕を持って提案できるようになるはずです。
売上を確保することは、決して悪いことではありません。 事業所の経営が安定してこそ、初めてスタッフに十分な給与を払い、利用者さんに質の高い支援を提供し続けることができるからです。 「経営を守ることは、利用者の居場所を守ること」。この信念を持って、制度をフル活用してください。




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