保育・教育等移行支援加算 放課後等デイサービスとインクルーシブ教育を徹底解説

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障害のある児童が放課後等デイサービスへ通所し、個別の学習支援を受けることはとても重要ですが、障害のある児童の中には、放課後等デイサービスを卒業する目標にする子どももいるかもしれません。障害がある、ないに関わらず一緒に学校生活を送ることをインクルーシブ教育といいます。

インクルーシブ教育とは、障害の有無、国籍など、どんな違いがあってもすべての子どもたちが分け隔てなく、同じ環境で共に学び合い、相互に人格と個性を尊重できる社会を目指す教育を指します。

このインクルーシブ教育を実現するために、放課後等デイサービスが支援をした際に報酬として加算できるのが、保育・教育等移行支援加算です。今回は、放課後等デイサービスが算定できる保育・教育等移行支援加算についてご紹介します。

この記事を読んでわかること

・保育・教育等移行支援加算について概要がわかる
・保育・教育等移行支援加算の算定する際の注意点が分かる
・インクルーシブ教育について知れる

目次

保育・教育等移行支援加算

保育・教育等移行支援加算とは、地域において保育、教育等を受けられるよう支援を行ったことにより、放課後等デイサービス事業所を退所する前の移行支援、退所後の相談援助や保育所等への助言・援助を行った場合に算定できる加算です。

保育・教育等移行支援加算単位数
退所前に移行に向けた取組を行った場合500単位/回(2回を限度)
退所後に居宅等を訪問して相談援助を行った場合500単位/回(1回を限度)
退所後に移行先施設を訪問して助言・援助を行った場合500単位/回(1回を限度)

保育・教育等移行支援加算は3つのパターンで算定することができます。それぞれ詳細をみていきましょう。

退所前に移行に向けた取組を行う場合の算定要件

  • 退所前6月以内に、会議又は訪問して移行先施設に退所後の生活に関して助言援助等(保育・教育等移行支援)を行うこと。
  • 児童や家族の状況や移行に向けた取り組みの共有、連絡調整を移行先施設との間で行うこと。また、必要な環境調整や支援方法の伝達などを行うこと。
  • あらかじめ保護者の同意を得た上で、児童及び家族の意向や課題を通所支援計画に位置付けて計画的に実施すること。
  • 保育・教育等移行支援を行った場合は、当該支援又は援助を行った日及びその内容の要点に関する記録を行うこと。

退所後に居宅等を訪問して相談援助を行う場合の算定要件

  • 退所後30日以内に、児童の居宅等を訪問して相談援助を行うこと。
  • 相談援助においては、児童又は家族に対して、移行後の生活における課題等に関して相談援助を行うこと。
  • 居宅を訪問して相談援助を行った場合は、当該支援又援助を行った日及びその内容の要点に関する記録を行うこと。

退所後に移行先施設を訪問して助言・援助を行う場合の算定要件

  • 退所後30日以内に、移行先施設を訪問して移行先施設に助言・援助等を行うこと。
  • 移行先施設に対して、移行後の生活における課題等に関して助言・援助を行うこと。
  • 移行先施設を訪問して相談援助を行った場合は、当該支援又は援助を行った日及びその内容の要点に関する記録を行うこと。

保育・教育等移行支援加算のポイント

放課後等デイサービスで保育・教育等移行支援加算を算定する際のポイント・注意点を確認しておきましょう。

保育・教育等移行支援加算を算定する際の注意点

放課後等デイサービスで保育・教育等移行支援加算を算定する際は、次の3つに注意しましょう。

  • 移行先が病院や診療所(入院)、社会福祉施設(入所)の場合は算定できない
  • 学校への入学、死亡退所の場合も算定できない
  • 退所後に算定できる加算のため、訪問日によっては基本報酬の算定がない月に請求する場合もある

報酬単価

放課後等デイサービスにおける保育・教育等移行支援加算の報酬単価は、500単位/回です。利用者1人につき、1回のみ算定できます。たとえば、利用者4人が退所し移行支援した場合の計算方法は、次のとおりです。

報酬単価×人数×地域単価(10円)=500単位×4人×10円=40,000円/月

インクルーシブ教育の現状

「インクルーシブ(inclusive)」は、「包括的な」「包摂的な」と訳されることが多い形容詞ですが、「さまざまな人が参加できる」という意味でも使われる言葉です。ユネスコの「インクルージョンへのガイドライン(2005)」の中でインクルーシブ教育は、多様な子どもがいることを前提として、その多様な子どもたちが同じ場で学べる環境をつくるため、教育システムそのものを改革していくプロセスだと定義されています。

日本におけるインクルーシブ教育に対する取り組みは、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」(文部科学省)が2012年7月に公表されており、2014年には障害者権利条約に批准しています。しかし、2022年に国連の障害者権利委員会から勧告がなされていることからも、まだ発展途上にあるというのが実情です。

よくある質問

保育・教育等移行支援加算についてよくある質問をまとめました。

保育・教育等移行支援加算」の算定に当たって「情報提供」を行う場合の「心身の状況等」とは具体的に何か。

「情報提供」を行う場合の「心身の状況等」とは、「入院時情報連携加算」において具体的に掲げた内容等の情報提供を指します。

「居宅介護支援事業所等連携加算」における障害福祉サービスの利用終了後6月の算定について、サービスの利用終了後に対象の支援を実施した場合はどのように算定するのか。

厚生労働省令(第 34 条の 54)において支給期間は、サービス利用支援を実施する月から支給決定障害者等に係る支給決定の有効期間又は地域相談支援給付決定障害者に係る地域相談支援給付決定の有効期間のうち最も長いものの終期の月までの範囲内で月を単位として市町村が定める期間とされている。

まとめ

障害のある児童が放課後等デイサービスへ通所し、個別の学習支援を受けることはとても重要ですが、障害がある、ないに関わらず一緒に学校生活を送ることをインクルーシブ教育が重要といった考えもあります。

インクルーシブ教育を実現するために、放課後等デイサービスが支援をした際に報酬として加算できるのが、保育・教育等移行支援加算です。放課後等デイサービスが算定できる保育・教育等移行支援加算について、インクルーシブ教育も含めて支援を考えていきましょう。

くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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