【就労B型】恋愛禁止はNG?男女トラブルを防ぐ「鉄壁ルール」と契約書

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こんにちは。 大阪で、障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。

経営者やサビ管の皆様、こんな悩みを抱えていませんか?

  • カップルが休憩室を独占していて、他の利用者が入れない。
  • 別れた途端に「あいつがいるなら行きたくない」と不登校に。
  • 一方的な好意(ストーカー)で、警察沙汰になりかけた。
  • 周りの利用者が気を使ってしまい、作業効率が激減。

これらは決して珍しいことではありません。 しかし、対応を間違えると、雰囲気が悪いから」と他の真面目な利用者さんが次々と辞めてしまい、事業所が崩壊するきっかけになります。

今回は、法的に正しい「ルール作り」から、現場スタッフの立ち回りまで、行政書士の視点で徹底解説します。

✅ この記事を読んでわかること

  • 【契約書】 トラブル時に退所勧告ができる「重要事項説明書」の条項例
  • 【計画書】 恋愛指導を「支援」に変える個別支援計画の書き方
  • 【スタッフ】 「伝書鳩」になってない?現場職員のNG行動
目次

1. 法律の壁:「恋愛禁止」は人権侵害だが…

まず大前提として、恋愛そのものを禁止すること」はできません 障害があろうとなかろうと、人を好きになる権利は誰にも奪えないからです。 もし「異性交遊禁止」というルールを作っても、人権侵害として無効になる可能性が高いです。

しかし、職場環境を乱す行為」を禁止することは可能です。 就労継続支援B型は「就労の訓練を行う場所(=職場)」です。 一般企業でも、業務中にイチャイチャして周囲を不快にさせれば懲戒処分の対象になります。B型も同じスタンスで指導すべきです。

× 「恋愛禁止」 (心を縛るルールはNG) ○ 「業務に支障が出る行為の禁止」 (行動を縛るルールはOK)

2. 【実例】重要事項説明書に入れるべき「条項」

トラブルが起きてから「ダメですよ」と言っても、「そんなの聞いてない」と反発されます。 入所時(契約時)の説明で使う「重要事項説明書」の【利用の中止・終了】の項目に、以下の文言を入れておくことを強くお勧めします。

【重要事項説明書 記載例】
以下の行為があり、事業所が改善を求めたにも関わらず改善が見られない場合、契約を解除することがあります。

・他の利用者に対する執拗な付きまとい、過度な身体的接触、金銭の貸し借り等、他の利用者の平穏な利用を妨げる行為があった場合。
・事業所内の秩序や風紀を乱し、円滑なサービス提供に支障をきたすと判断された場合。

ポイントは、「恋愛」という言葉を使わず、「他の利用者の妨害」「秩序の乱れ」という言葉を使うことです。 これにより、恋愛トラブルだけでなく、勧誘活動や金銭トラブルにも対応できる「伝家の宝刀」になります。

3. サビ管の仕事:個別支援計画への落とし込み

ただ注意するだけでは「怒られた」で終わります。 サビ管(サービス管理責任者)は、これを**「SST(ソーシャルスキルトレーニング)のチャンス」**と捉え、個別支援計画に盛り込んでください。

こうすれば、職員の注意は「個人的な感情」ではなく、**「計画に基づいた正当な支援」**になります。

計画書への記載例

  • 【長期目標】 職場における対人マナーを身につけ、周囲と協調して作業ができる。
  • 【短期目標】 他者との適切な距離感(パーソナルスペース)を理解し、相手の嫌がる行動をしない。
  • 【支援内容】 好意の伝え方や、断られた際の気持ちの切り替え方について、ロールプレイを通じて助言する。休憩時間と作業時間のメリハリをつけるよう声かけを行う。

4. 現場スタッフの鉄則

現場で一番やってはいけないこと。 それは、スタッフが「二人の仲を取り持ってしまうこと」です。

  • 「〇〇君が、△△さんのこと可愛いって言ってたよ〜」
  • 「手紙預かったから渡しておくね」

良かれと思ってやったこれらは、全てNGです。 もし二人の関係がこじれた時、「あの職員さんが焚きつけた」「職員さんが手紙を渡したせいだ」と、責任転嫁の矛先が事業所に向きます。

スタッフへの周知事項

  1. 中立を守る: 「個人的なことには介入できない」と突っぱねる優しさを持つ。
  2. 特別扱いしない: カップルだからといって、席を隣にしたり、送迎車を一緒にしたりしない(特別扱いは他の利用者からのクレームの元)。
  3. 情報共有: 「付き合い始めたらしい」という噂を聞いたら、すぐにサビ管に報告し、日報に残す。

よくある質問(Q&A)

就労継続支援B型における利用者トラブルについてよくある質問をまとめました。

保護者から「娘がたぶらかされている!相手を辞めさせて!」と電話が来ました。

「利用者本人の意思」と「事実確認」が最優先です。 保護者の気持ちは分かりますが、成人の利用者同士の合意であれば、事業所が一方的に別れさせることはできません。まずは双方から話を聞き、「事実(無理やりではないか)」を確認します。その上で、保護者も含めたケース会議を開き、「事業所内でのルール」を再確認する着地点を探ります。

同性同士のカップル(LGBTQ)の場合は? 

男女のカップルと全く同じ対応をします。 特別視する必要も、過度に配慮する必要もありません。「業務に支障が出るかどうか」という基準だけで判断してください。

破局して「顔も見たくない」と言っています。クラス分けや通所日変更はあり? 

運営上可能なら「配慮」として行うのはOKです。 ただし、「どちらかが辞めるべき」という強要はできません。「Aさんは月水金、Bさんは火木土」のように調整するか、作業エリアを離すなどの物理的な距離を作ることで、冷却期間を置かせるのが一般的です。

連絡先交換は禁止にできますか?

「禁止」は難しいですが、「届出制」がおすすめです。 隠れて交換するのがオチなので、「交換するならスタッフに報告すること。何かあっても自己責任」という誓約書を書かせるのが有効です。これだけで「気軽な交換」への抑止力になります。

まとめ:恋愛トラブルは、利用者が「社会」に出るための最大の訓練

「また痴話喧嘩か…」とため息をつきたくなる気持ち、痛いほどわかります。 しかし、視点を少し変えてみましょう。

異性との関わり方、距離感、断られた時の感情の整理。 これらは、利用者が将来「一般就労」をした際に、絶対に直面する課題です。 もし、事業所の中でこの訓練をせずに卒業してしまったら、就職先でセクハラやストーカー加害者になってしまい、即解雇される未来が待っているかもしれません。

だからこそ、事業所は「恋愛禁止」という蓋をするのではなく、「社会人として許されるライン」を教える「訓練の場」であるべきです。

  • 【契約書】で、退所勧告ができる「武器」を持つ。
  • 【計画書】で、感情論ではなく「支援」として介入する。
  • 【スタッフ】が、中立を守り「仕事」として線を引く。

    この3つが揃っていれば、どんなトラブルが起きても、組織が揺らぐことはありません。 ここは仲良しサークルではなく、職場である この当たり前のルールを、契約書という「形」にして、利用者さんと共有することから始めましょう。

    くまくまさん
    この記事を書いた人

    大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
    【資格】
    ・福祉系の資格あり
    ・行政書士試験合格
    【略歴】
    ・大阪在住
    ・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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