売上が半分に!?「個別支援計画」未作成減算を防ぐ日付の鉄則と実地指導の罠

こんにちは。 大阪で、障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。
障害福祉サービスを提供する上で、サービスの設計図となる「個別支援計画」。 この計画が適切に作成されていない場合、「個別支援計画未作成減算」という非常に重い減算が科せられます。
- 減算開始から2ヶ月目まで:基本報酬の30%カット
- 3ヶ月目以降:基本報酬の50%(半分)カット
運営指導で過去に遡ってこの減算が適用されると、数百万円〜数千万円規模の返還金が発生し、事業所が倒産に追い込まれるレベルの致命傷になります。
これを聞くと、「うちはサビ管(サービス管理責任者)が毎月ちゃんと計画書を作っているから大丈夫!」と思うかもしれません。 しかし、実地指導で発覚する未作成減算の多くは、「全く作っていなかった」わけではなく、「手順や日付のルールを守っていなかったため、未作成とみなされた」ケースなのです。
今回は、運営指導担当が目を光らせる「未作成とみなされる3つの罠」を解説します。
実地指導で狙われる!「未作成扱い」になる3つの罠

行政のルールでは、個別支援計画はただ紙があれば良いわけではありません。「定められた一連のプロセス(手順)」を踏んで初めて有効な計画として認められます。
罠①:書類の「日付」がタイムトラベルしている(手順の逆転)
監査官が書類の束を手にしたとき、真っ先に見るのは「内容」ではなく「各書類の日付の整合性」です。個別支援計画は、絶対に以下の順番(日付順)で進めなければなりません。
- アセスメント(面接・課題把握)
- 個別支援計画の「原案」作成
- 担当者会議(カンファレンス)の開催
- 個別支援計画の「本案」作成
- 利用者様への説明と、同意(署名・押印)、交付
よくあるのが、「担当者会議の日付(③)」よりも前に「利用者様の同意の署名日(⑤)」があるといった「日付の逆転」です。 「会議を開く前に、どうやって完成版の計画に同意をもらったんですか?これは辻褄を合わせるために後から適当に書いた虚偽の書類ですね」と運営指導担当者に指摘され、その計画は無効(未作成)とみなされてしまいます。
罠②:モニタリングの「期間」を過ぎている
個別支援計画には、サービスごとに「少なくとも〇ヶ月に1回」という必須期間が定められています。(例:就労継続支援B型なら原則6ヶ月に1回)
- 前回作成日(同意日):4月1日
- 次回の期限(6ヶ月):9月30日まで
もし、次のアセスメントと計画作成(同意)が「10月5日」になってしまった場合、10月1日〜4日までの空白期間が発生したことになります。 行政のルールは非常に厳格です。「数日遅れただけ」は通用せず、この月の報酬は「未作成減算(30%オフ)」の対象となります。
罠③:サビ管の「署名漏れ」や「無資格者の代行」
個別支援計画は、必ず配置基準を満たしたサービス管理責任者(サビ管)が作成の責任を負わなければなりません。
- 計画書にサビ管の名前(または印鑑)がない。
- サビ管が急に退職し、後任が決まるまでの間、管理者が代わりに計画を作って署名した。
これらもすべて「適切なサビ管による計画作成が行われていない=未作成」と判断されます。サビ管の欠員は、即座に事業所の売上減算に直結する最大のリスクです。
よくある質問(Q&A)

まとめ:サビ管個人の「記憶」に頼らない仕組みづくりを!

現場のサビ管は、利用者様との面談、スタッフへの指導、日々のトラブル対応などで常に多忙を極めています。 そのため、「あの人のモニタリング、来週が期限だった!」と後から気づき、慌てて日付を操作して書類の辻褄を合わせようとする……これが、実地指導でボロが出る最大の原因です。
減算を防ぐための鉄則はただ一つ。 サビ管個人の頭の中(記憶)に期限管理を任せるのではなく、事業所全体で「1ヶ月前行動」をシステム化することです。
Excelや介護ソフトのアラート機能を使い、「来月モニタリング対象の利用者リスト」を毎月最初のミーティングで管理者とサビ管で共有する。これだけで、致命的な日付のズレや期限切れは劇的に防げます。




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