【開業・事業拡大】「多機能型事業所」の罠!B型+移行のメリットと複雑すぎる人員基準

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こんにちは。 大阪で、障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。

多機能型事業所とは、2つ以上の異なる障害福祉サービスを、一体的に(同じ事業所で)提供する形式のことです。 例えば、「就労継続支援B型(定員10名)」と「就労移行支援(定員10名)」を同じ建物で行うようなケースです。

これには、経営的にも支援的にも素晴らしいメリットがあります。

  • 固定費の削減: 1つの物件で2つの事業を行うため、家賃や光熱費などの固定費を大幅に圧縮できます。
  • 人材の有効活用: 条件を満たせば、管理者やサービス管理責任者(サビ管)を2つの事業で「兼務」させることができ、人件費を抑えられます。
  • シームレスな支援: 「B型で働く基礎を身につけ、そのまま慣れ親しんだ環境で就労移行へステップアップする」といった、利用者様にとって理想的な支援体制が作れます。

これだけ聞くと「絶対に多機能型にした方がいい!」と思うかもしれません。しかし、ここからが行政ルールの恐ろしいところです。

✅ この記事を読んでわかること

  • 【メリット】 多機能型(B型+移行など)にする本当の強みとは?
  • 【罠① 人員基準】 シフト表がパニックに!「常勤換算」と「兼務」の落とし穴
  • 【罠② 報酬単価】 定員を合算されることで「売上が下がる」カラクリ

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目次

実地指導で狙われる!多機能型の「3つの罠」

安易に多機能型で指定を取った事業所が、後になって「こんなはずじゃなかった…」と頭を抱える3つの罠を解説します。

罠①:基本報酬が下がる!?「利用定員の合算ルール」

障害福祉サービスの基本報酬(単位数)は、原則として「定員規模が大きくなるほど、1人あたりの単価が安くなる」ように設定されています。

多機能型の場合、各サービスの定員を「合算した人数」で基本報酬の単価区分が決定されます。(※一部の人員配置特例を使わない場合を除く)

  • 【別々に運営する場合】
    • B型(定員15名) = 「20名以下」の高い単価が適用
    • 就労移行(定員10名) = 「20名以下」の高い単価が適用
  • 【多機能型にする場合】
    • B型(15名)+ 移行(10名) = 合計定員25名
    • 結果として、「定員21名以上(〜40名以下)」の規模の大きい単価区分に引っ張られ、1人あたりの報酬額が単独型より下がってしまうケースが発生します。

「家賃は浮いたけれど、毎月の売上(基本報酬)がごっそり減ってしまい、結果的にマイナスになった…」という事態になりかねません。事前の綿密な収益シミュレーションが必須です。の売上(基本報酬)がごっそり減ってしまい、結果的にマイナスになった…」という事態になりかねません。事前の綿密な収益シミュレーションが必須です。

罠②:シフト表が崩壊する「直接処遇職員の常勤換算」

実地指導で最も指摘されやすいのが、生活支援員や職業指導員などの「直接処遇職員」の配置です。

多機能型の場合、「この時間はB型の支援をして、この時間は移行の支援をする」というように、スタッフが両方のサービスを行き来することがよくあります。しかし、行政の運営指導担当は「誰が、どの時間に、どちらのサービスの定員に対して配置されているか」を明確に分けることを求めます。

  • ダメな例: 「みんなで両方の利用者を見ています!」とどんぶり勘定でシフトを組む。
  • 運営指導担当の指摘: 「B型の人員基準(常勤換算)が足りていませんね。減算です。」

サービスごとに必要な人員基準(配置割合)が異なるため、兼務させる場合は勤務表上で「B型の業務〇時間」「就労移行の業務〇時間」と明確に切り分け、それぞれで常勤換算を満たしているか、パズルのような計算を毎月行う必要があります。

罠③:サビ管の「兼務」による業務パンク

管理者とサビ管は、多機能型事業所内で兼務することが認められています。「人件費が1人分浮く!」と喜ぶ経営者様は多いですが、現場のサビ管からすると「地獄の始まり」です。

  • B型の利用者(10名)の個別支援計画作成、アセスメント、モニタリング
  • 就労移行の利用者(10名)の個別支援計画作成、企業開拓、就職活動の支援、定着支援

これらをサビ管1人で全てこなさなければなりません。 特に就労移行支援は、一般就労に向けた関係機関(ハローワークや企業)との連携など、非常に業務量が多いサービスです。結果として、個別支援計画の更新期限をうっかり過ぎてしまい、「個別支援計画未作成減算(売上30〜50%カット)」を食らうケースが頻発しています。

よくある質問(Q&A)

管理者とサービス管理責任者(サビ管)は、多機能型のすべての事業で兼務できますか?

条件を満たせば兼務可能ですが、利用者数の上限に注意が必要です。 管理者は、業務に支障がない範囲であれば、多機能型事業所内のすべてのサービスで兼務が可能です。サビ管についても兼務は可能ですが、「利用者数の合計が原則60名以下」という配置基準があります。事業規模が大きくなると、サビ管をもう1名配置しなければならなくなるため、将来的な定員増を見越した人員計画が必要です。

B型と就労移行支援を多機能型で行う場合、作業室(訓練室)は完全に壁で仕切る必要がありますか?

完全に仕切る必要はありませんが、サービスごとの専用スペースを明確にする必要があります。 「ここはB型の作業スペース」「ここは就労移行の訓練スペース」と、パーテーションや家具などで明確に区分けされていれば、同じ部屋(空間)であっても認められるケースが一般的です。ただし、自治体(指定権者)によって設備のローカルルールが異なる場合があるため、レイアウト図面を引く前の事前相談が必須です。

まとめ:多機能型は「目的」ではなく「手段」

多機能型事業所は、うまく運用できれば強力なビジネスモデルになりますが、単なる「コスト削減目的」で手を出すと、複雑な人員基準や事務作業の波に飲み込まれてしまいます。

  1. 単独で立ち上げるか、多機能型にするかの報酬シミュレーションを事前に行う。
  2. サビ管や現場スタッフの業務量がパンクしないか、リアルなシフトを組んでみる。
  3. 人員基準(常勤換算)のルールを完璧に理解できる体制を作る。

これらをクリアして初めて、多機能型のメリットを享受することができます。

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くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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