【通勤者生活支援加算の算定について解説:障害者就労について】

現在障害のある方への就労支援に対する制度改正が頻繁に行われ、支援の充実が図られています。
令和7年度には障害のある方が就労先を検討する際に就労能力を判断し助言するために「就労選択支援事業」が開始したり、民間企業における法定雇用率は、2024年の改正により、2.5%となっています。また、2026年7月より「2.7%」と段階的に引き上げられる予定です。
このように障害者グループホームの利用者さんが一般企業に就労する機会が増える可能性が出てきます。そういった際に障害者グループホームが要件を満たすと算定できる「通勤者生活支援加算」があります。
今回は通勤者生活支援加算の算定についてご紹介します。
この記事を読んで分かること
・通勤者生活支援加算の概要
・通勤者生活支援加算の算定要件
・障害者雇用の状況を知ることができる

通勤者生活支援加算とは

⼀般の事業所で就労する利⽤者が50%以上を占める事業所が、主に⽇中に、職場での対⼈関係の調整や相談‧助
⾔、⾦銭管理の指導など、働き続けるために必要な⽇常⽣活上の⽀援を⾏っている場合の加算です。
- 加算の対象となる事業所は、就労する利用者が50%以上の事業所のみ
- 就労継続支援A型B型の利用者は含まない
- 共同生活援助の類型の「日中サービス支援型」は加算対象にならない
通勤者生活支援加算のポイント
通勤者生活支援加算を算定する際に注意しておきたい点が以下の通りです。
(一) 報酬告示第11の5の3の通勤者生活支援加算については、指定宿泊型自立訓練の利用者のうち、100分の50以上の者が通常の事業所に雇用されている場合に加算を算定するものであるが、この場合の「通常の事業所に雇用されている」とは、一般就労のことをいうものであって、指定就労移行支援、指定就労継続支援A型及び指定就労継続支援B型の利用者は除くものであること。
(二) 通勤者生活支援加算を算定する事業所においては、主として日中の時間帯において、勤務先その他の関係機関との調整及びこれに伴う利用者に対する相談援助を行うものとする。
特に(二)の点を注意し以下の点に気を付けましょう。
- 就労先と連絡調整を行なった日中の時間帯を記載する
- GHの日中の時間帯にスタッフを配置する必要がある
- 就労先に個人情報保護の同意書を書いてもらう
その他以下の点にも注意しましょう。
- 事業所の体制を評価することとしているため、共同生活住居単位ではなく事業所単位で要件を満たす必要がある
- 日ごとの支援の有無にかかわらず、都道府県知事に届け出た事業所の利用者全員について、算定することができる。※各自治体によって判断が異なる可能性があるため指定権者に確認しておきましょう。
今後の障害者雇用状況は?

通勤者生活支援加算を算定するかどうかは今後の障害者雇用の状況によって変わって来ると思います。今後障害者雇用はどうなっていくのか確認しましょう。
民間企業における法定雇用率は、常時雇用する従業員のうち2.5%の障がい者を雇用することが義務付けられています。厚生労働省では、毎年6月1日時点の障がい者雇用状況報告を企業に求めており、年末にその集計結果が発表されます。

- 雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新し、雇用障害者数は67万7,461.5人(対前年3万5,283.5人(5.5%)増加)
全国的に障害者雇用は増加傾向にあり、21年連続で過去最高を更新している。特に近年では精神障害者の雇用が顕著に伸びており、令和6年の調査でも前年比15.7%の増加となった。 - 実雇用率は2.41%で、対前年0.08ポイント上昇
障害者の数と実雇用率は、すべての企業規模で前年より増加している
法定雇用率は、令和6年4月に2.3%から2.5%に引き上げられたのに続き、令和8年7月にはさらに2.7%となることが決定しています。
調査結果でも報告されているとおり、民間企業で働く障害者の数は右肩上がりで推移しおり、とくに精神障害者の雇用が増えていることからも、障害者グループホームでの通勤者が増えることが予想されます。
さらに、国が定める「第5次障害者基本計画」では、民間企業における障がい者雇用の目標として、2027(令和9)年度の法定雇用率達成割合56%を掲げています。
令和6年の法定雇用率達成企業の割合は46.0%であることから、民間企業の取り組みへの期待が高まっていると考えられます。
よくある質問

通勤生活者支援加算についてよくある質問をまとめました。

まとめ
障害のある方の就労支援が重点的にされており、法定雇用率の引き上げに伴って民間企業で働く障害者の数は毎年増えている状況です。
今後、障害者グループホームから一般企業へ通勤する利用者も増えてくるかもしれません。現状では通勤生活者支援加算は算定額が低く、職員の配置を考えると現実的ではないかもしれませんが、今後雇用率の増加に伴って報酬改定が行われるかもしれませんね。




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