【就労A型・B型】4月提出必須!「スコア表・工賃実績」計算ミスで1年間の売上が激減する

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こんにちは。 大阪で、障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。

就労継続支援A型・B型を運営する皆様、毎年4月に行う「前年度の実績報告(A型ならスコア表、B型なら平均工賃の報告)」の準備は進んでいますでしょうか。 提出期限は自治体によって異なりますが、原則として「4月15日」など、新年度が始まってすぐに設定されています。

この実績報告は、単なる行政への状況報告ではありません。 報告した数字(スコアの合計点や、平均工賃額)によって、今年度1年間の基本報酬の単価(ランク)」が決定されるという、事業所の命運を握る重要な手続きです。

「たぶんこれくらいだろう」と概算で計算したり、ルールを勘違いして低い実績を出してしまったりすると、本来もらえるはずだった高いランクの報酬が取れず、年間で数百万円規模の売上ロスに直結します。 逆に、ランクを上げたいからと「根拠のない数字」で水増し報告をすると、実地指導(運営指導)で一発アウトとなり、受給した報酬の返還を命じられます。

今回は、A型・B型それぞれの事業主様が陥りやすい「計算と根拠書類の注意点」を徹底解説します。

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目次

【就労継続支援A型】7つの評価項目で決まる「スコア方式」

A型の基本報酬は、まず大前提として「従業者配置を7.5:1以上とするか、10:1以上とするか」によってベースとなる報酬単価が異なります。 その上で、令和6年度の報酬改定により、以下の「7つの観点(評価項目)」の総合評価(スコア)によって最終的なランクが決定される仕組みになっています。

  1. 1日の平均労働時間
  2. 生産活動の収支状況
  3. 多様な働き方(利用者側)
  4. 支援力向上(スタッフ側)
  5. 地域連携活動
  6. 経営改善計画
  7. 利用者の知識・能力向上

点数が高いほど報酬単価も上がりますが、このスコア表は「客観的な根拠資料」がなければ点数として認められません。実地指導で指摘される3つのポイントを紹介します。

①:労働時間と出勤簿の矛盾

A型のスコアで基本となるのが「1日の平均労働時間」です。

 【NG例】 「雇用契約書には『1日5時間労働』と書いているので、全員5時間で計算してスコアを出しました」 これはアウトです。スコア表の労働時間は、契約上の時間ではなく「実際に働いた時間(実績)」で計算しなければなりません。

②:「過去3年間の生産活動収支 ≧ 利用者の総賃金」の原則

A型の絶対的なルールとして、「生産活動で稼いだ利益(粗利)の範囲内で、利用者に最低賃金以上の給料を支払う」という原則があります。 スコア評価においては、単に前年度だけでなく、「前年度」「前々年度」「前々々年度」の過去3年間にわたり、生産活動の収支が利用者に支払う賃金の総額を上回っているかどうかが厳しく見られます。

③:「多様な働き方」と「支援力向上」の根拠書類モレ

スコアアップを狙いやすい項目ですが、「なんとなく現場でやっている」だけでは点数になりません。

  • 多様な働き方(利用者側): 免許・資格取得の支援、在宅勤務のルール、フレックスタイム制、時間単位の年休取得、傷病休暇制度などを評価する項目です。しかし、これらは全て「就業規則やそれに準ずる規程等に明記されていること」が条件です。ルールブックに明記されていない制度は、いくら実施していても0点扱いです。
  • 支援力向上(スタッフ側): スタッフのモチベーションやスキルアップを評価する項目ですが、これも「研修計画を作成し、それに基づいた外部研修または内部研修を実施していること」が求められ、計画書や研修記録が必須の根拠資料となります。

【就労継続支援B型】「平均工賃額」計算

就労継続支援B型の基本報酬は、前年度の「月額の平均工賃」がいくらだったかによって、階段状に単価が決定されます(例:1万円未満、1万円以上〜2万円未満…など)。 計算式自体は「1年間に支払った工賃の総額 ÷ 1年間の工賃支払対象者の総数」とシンプルですが、この「誰を計算に入れるか(分母と分子)」で多くの事業所がミスを犯します。

【よくある計算ミスの例】

  • 分母(人数)のミス: 「その月に1日も通所していない(工賃が発生していない)利用者」まで分母の人数に入れて計算してしまい、結果的に平均工賃額がガクッと下がってしまった。
  • 分子(金額)のミス: 生産活動とは関係のない「皆勤手当」や「交通費(実費支給分)」まで工賃の総額に含めて計算し、平均工賃を不当に高く見せかけて報告した。

【 正しい計算と防衛策】 行政は「なんとなく算出したエクセルの表」だけでは信用しません。 実地指導が入った際、運営指導担当は提出された報告書と、「毎月の賃金台帳(工賃支払明細)」「出勤簿」「銀行の振込履歴(または現金受領のサイン)」を突き合わせます。 「報告では平均1万5000円になっていますが、台帳の金額を合計して割り直すと1万4800円ですね。ランクを偽って高い報酬を受け取っていたため、差額を返還してください」という事態を防ぐため、日々の帳簿と報告書の数字は完全に一致させておく必要があります。

よくある質問(Q&A)

【B型】年度の途中で利用者が退所した場合、その人は平均工賃の計算(分母)に含めますか?

はい、工賃が支払われた月があれば含めて計算します。 例えば、8月に退所した利用者であっても、4月〜8月の間に1日でも通所して工賃が発生していれば、その月の「工賃支払対象者」として分母にカウントします。逆に、月に1日も通所せず工賃がゼロだった月は、その人を除外して計算しなければなりません。

【A型】スコア表の点数を計算した結果、去年よりランクが下がってしまいそうです。提出しなくてもいいですか?

提出は「義務」です。未提出の場合は最も低い報酬単価に減算されます。 実績報告(スコア表の提出)は指定基準上の義務であり、任意ではありません。期限までに提出しなかった場合、その年度の基本報酬は「未報告減算」として最も低いランクに落とされてしまいます。ランクが下がる結果になったとしても、正確な数字を期日までに必ず提出してください。

まとめ

就労継続支援A型・B型における「4月の実績報告」は、単なる事務作業ではありません。 「過去1年間の事業所の通知表」であり、「1年間の売上を決める書類」でもあります。

  • B型の事業主様へ: 工賃台帳と出勤簿の数字にズレはありませんか?分母の人数から「欠勤者」を正しく除外できていますか?
  • A型の事業主様へ: スコア表で申告した点数を、すべて「客観的な証拠(書類)」で証明できますか?

「去年と同じようにエクセルに入力しておけばいいだろう」という油断が、のちに数百万〜数千万円の返還金という最悪の結末を招くのが障害福祉の恐ろしいところです。

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くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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