【実地指導】「特になし」は返還対象?サービス提供記録のNG例と正しい書き方

こんにちは。 大阪で、障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。
毎日の業務に追われていると、サービス提供記録(日報)をつい後回しにしてしまったり、適当に書いてしまったりすることはありませんか?
厳しいことを言いますが、役所の実地指導において「サービス提供記録」は「領収書」と同じです。 税金から給付費(報酬)を受け取っている以上、「今日、私はこの利用者に対して、確かに支援を行いました」という証拠が必要です。
その証拠となる記録が適当だと、最悪の場合、「支援をしていないのに報酬を請求した」とみなされ、数年分の報酬返還(数百万〜数千万円)を命じられることもあります。
今回は、実地指導で「突っ込まれる」NGな書き方と、正しい記録のポイントを解説します。
✅ この記事を読んでわかること
- 【リスク】 「特になし」「コピペ」が架空請求とみなされる理由
- 【書き方】 「様子」ではなく「事実」を書くための5W1H
- 【注意点】 フリクション(消せるペン)使用が絶対NGな理由
まず確認:「実績記録票」との違い

よく混同されますが、以下の2つは全く別物です。
サービス提供実績記録票
目的: 請求用。「何時〜何時まで来たか」を確認し、利用者がハンコを押すもの。
内容: 時間と印鑑のみ。
サービス提供記録(ケース記録・日報)
目的: 支援の証拠。「どんな支援をしたか」を職員が記録するもの。
内容: 今日の様子、作業内容、トラブル、面談内容など。
今回解説するのは、**2番の「職員が書く日報」**の方です。ここに不備があると、いくらハンコがあっても報酬は認められません。
実地指導で狙われる!危険なNG記録 4選

就労B型の実地指導で重視される「サービス提供記録」の危険なNG記録を4つに絞りご紹介します。
① 「特になし」「異常なし」の連打(空白)
一番多いのがこれです。 「今日も平和だったな」という意味で書いているのだと思いますが、役所の担当者はこう考えます。 「何も支援していないなら、今日の分の報酬は払えませんね?」
就労B型は「預かり」ではなく「支援」に対して報酬が支払われます。「特になし=支援なし(放置)」と判断されるリスクが高いです。
② 毎日同じ文章の「コピペ」
パソコン入力の場合に多発します。 「作業に集中して取り組まれていた。体調も良さそうだ。」が月曜から金曜まで並んでいる状態です。 これを見た監査担当者は「実際は見ていないな?(後でまとめて作った架空記録だな?)」と疑い、タイムカードや他の書類まで徹底的に調査を始めます。
③ 曖昧な表現:「適切に対応した」
「利用者がパニックになったが、適切に対応した」 これでは何も書かれていないのと同じです。
- どう 対応したのか?(別室へ誘導した? 話を聞いた?)
- 結果 どうなったのか?(落ち着いた? 帰宅した?)
ここが抜けていると、万が一事故が起きた際、職員を守る証拠になりません。
④ 個別支援計画との「不一致」
サビ管が一番注意すべき点です。
- 計画の目標: 「他者とコミュニケーションを取る」
- 日々の記録: 「一人で黙々と作業を頑張っていた。素晴らしい。」
一見褒めているようですが、計画の目標に対して支援内容がズレています。これでは**「計画が形骸化している」**と判断され、減算対象になる可能性があります。
誰でも書ける!正しい記録のコツ(5W1Hと客観事実)

「じゃあ何を書けばいいの?」と悩むスタッフには、以下の2点を指導してください。
1. 「感想」ではなく「事実」を書く
- NG(感想): 「〇〇さんは今日、機嫌が悪そうだった。」
(なぜそう思ったの? あなたの主観では?)
- OK(事実): 「朝の挨拶時、返答がなく、作業中に道具を強く置く様子が見られた。」
(誰が見てもわかる客観的な事実)
2. 5W1Hで埋める
文章が思いつかない時は、この型に当てはめます。
- When(いつ): 休憩時間に
- Where(どこで): 喫煙所で
- Who(誰と): AさんとBさんが
- What(何を): 口論になっていたため
- How(どうした): 職員が間に入り、双方から話を聞いた。
【監査対策】絶対にやってはいけない「文房具」のルール

書き方以外にも、物理的なルールがあります。これを知らないと、記録自体が無効になります。
- 消せるボールペン(フリクション)は絶対NG
熱で消えるインクは、改ざん可能なため公文書として認められません。必ず油性ボールペンを使ってください。 - 修正液・修正テープはNG
書き間違えた場合は、二重線を引き、訂正印(または署名)で修正します。「元の文字が見えるように消す」のが鉄則です。 - 「まとめ書き」はNG
「週末に一気に書く」は認められません。記憶が曖昧になり、事実と異なる記録になるからです。「その日の記録はその日のうちに」が原則です。
よくある質問

就労継続支援B型での「サービス提供記録」のよくある質問をまとめました。
まとめ:記録は「職員を守る」ための保険

「監査のために書く」と思うと辛いですが、記録は「トラブルから職員を守る保険」でもあります。 もしご家族から「うちの子が怪我をした!」とクレームが入った時、「その時、職員はどう対応したか」が詳細に残っていれば、それが正当性を証明する唯一の武器になります。




コメント