【帰宅時支援加算 vs 長期帰宅時支援加算|どっちがトク?損益分岐点を早見表で比較】

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障害者グループホームの入居理由はさまざまあると思いますが、家族との関わりは利用者にとって重要な人間関係となります。

障害者グループホームから実家に帰宅などをすると利用者支援を行わないため、基本報酬の算定は出来なくなります。

しかし、帰宅期間によって加算といった形で必要な支援をすることで報酬算定することが可能です。

帰宅時支援加算

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帰宅日数単位
3日以上7日未満187単位/回
7日以上374単位/回

「長期帰宅時支援加算」

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障害者グループホームの種別単位
介護サービス包括型40単位/日
日中サービス型50単位/日
外部サービス利用型25単位/日

今回は上記の帰宅時支援加算と長期帰宅時支援加算について算定の注意点を含めて解説します。

この記事を読んで分かること

・帰宅時支援加算、長期帰宅時支援加算の算定概要
・帰宅時支援加算、長期帰宅時支援加算のポイント

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目次

帰宅時支援加算とは

障害福祉事業の障がい者グループホームでは、利用者の帰省に伴って家族等と連絡調整を行ったり、交通手段の確保を行ったりした場合に「帰宅時支援加算」を取得することができます(※月1回)。

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帰宅日数単位
3日以上7日未満187単位/回
7日以上374単位/回

・初日と帰宅日は基本報酬単位の請求ができます。算定可能になるのは、月内で3日以降から。(月内2日では、算定できません)
・加算の算定要件の「帰宅期間」はその月の合計日数で判断します(※1回の帰宅ではありません)

算定のポイント

帰宅時支援加算の算定する際の注意点を確認しましょう。

  • 個別支援計画書に支援内容を明記されている。
    個別支援計画に帰宅の必要性と支援内容を記しておきましょう。
  • 個別支援計画書に支援内容に基づき、帰省の支援を行う。
    ・帰省に伴う家族等との連絡調整や交通手段の確保等の支援を行う
    ・定期的に家族から帰宅時の様子を伺い、今後の支援計画に活かす
    ・グループホームから帰省先への交通手段の行き帰りを確保し、できれば交通案内をプリントして渡す
  • 基本報酬が算定されない日が、3日以上、又は連続3日以上ある。
    何日にグループホームを出て、何日に帰ってきたのかを記録しましょう。

障がい者グループホームで「帰宅時支援加算」を算定して請求する場合、帰宅期間の長さによって報酬単位が変わるので、帰宅期間は正確に数えておきましょう。

帰宅期間(例①)

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(日数)1日2日3日4日5 日6日7日8日9日
(187単位の例)GH出帰宅帰宅帰宅GH帰
(374単位の例)GH出帰宅帰宅帰宅帰 宅帰宅帰宅帰宅GH帰

帰宅期間(例②)

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(日数)1日2日
3日
4日5日6日
7日
8日9日10日
11日
12日
(187単位の例)GH出帰宅GH戻GH出帰宅GH戻GH出帰宅GH戻
報酬基本加算基本基本加算基本基本加算基本

上記のようにとびとびで帰宅しても合計して加算を計算します。上記の場合は6日の帰宅扱いとされます。

長期帰宅時支援加算とは

障がい者グループホームでは、利用者の帰宅期間が3日以上の「家族等への」帰省に伴って、家族等と連絡調整を行ったり、交通手段の確保を行ったりした場合に「長期帰宅時支援加算」を取得することができます(※3ヶ月間のみ)。

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障害者グループホームの種別単位
介護サービス包括型40単位/日
日中サービス型50単位/日
外部サービス利用型25単位/日

・初日と帰宅日は基本報酬単位の請求ができます。

算定のポイント

長期帰宅時支援加算の算定は「帰宅支援加算」と同一の支援・記録の整備する必要があります。
長期帰宅時支援加算は日数計算の違いがありますので注意しましょう。

  • 個別支援計画書に支援内容を明記されている。
    個別支援計画に帰宅の必要性と支援内容を記しておきましょう。
  • 個別支援計画書に支援内容に基づき、帰省の支援を行う。
    ・帰省に伴う家族等との連絡調整や交通手段の確保等の支援を行う
    ・定期的に家族から帰宅時の様子を伺い、今後の支援計画に活かす
    ・グループホームから帰省先への交通手段の行き帰りを確保し、できれば交通案内をプリントして渡す
  • 基本報酬が算定されない日が、連続3日以上ある。、連続3日以上の為、5泊6日以上の場合は、加算の算定が可能となります。長期帰宅時支援加算は、3ヶ月まで連続算定可能です。
    何日にグループホームを出て、何日に帰ってきたのかを記録しましょう。
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27日28日29日30日1 日2日3日4日5日
月を
超えない
GH出××加算GH戻
月を超えるGH出××加算××加算加算GH戻

帰宅期間が3ヶ月を超える超長期となった場合、事業所としては「加算が切れる」だけでなく、「退去・再入居の判断」という非常にデリケートな問題となります。事業所運営者としては以下の2択の選択肢があると思いますので、メリット・デメリットを含めて、利用者と家族と協議が必要となります。

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選択肢メリットデメリット
部屋を維持するいつでも戻れる安心感がある。収益がゼロ。家賃や共益費の負担を誰がするかが問題になる。
一旦退去(解約)空室を他の待機者に提供でき、収益を確保できる。再入居時に改めて契約と支給決定の手続きが必要。部屋が埋まれば戻れない。

帰宅時支援加算 vs 長期帰宅時支援加算|どっちがトクなのか?

「帰宅時支援加算」を算定する月には、「長期帰宅時支援加算」は算定できません。そのためどちらを算定するか選択する場面が出てきます。

「帰宅時支援加算」の単位(7日以上:374単位)であるため、

介護サービス包括型では10日以上(40単位 × 10日 =400単位> 374単位)となります。

日中サービス支援型では8日以上(50単位 × 8日=400単位 > 374単位)となります。

介護サービス包括型10日以上日中サービス支援型8日以上の期間に帰宅していれば「長期帰宅時支援加算」の方が収益があがります。

損益分岐点表

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事業所の種別長期帰宅時支援加算(日額)損益分岐点(日数)どちらを選ぶべきかの目安
介護サービス包括型40単位 / 日10日以上9日以下なら「帰宅時」、10日以上なら「長期」
日中サービス支援型50単位 / 日8日以上7日以下なら「帰宅時」、8日以上なら「長期」
外部サービス利用型25単位 / 日15日以上14日以下なら「帰宅時」、15日以上なら「長期

「帰宅時支援加算」「長期帰宅時支援加算」の家族と連絡調整について

バラバラの記録だと運営指導時に探しにくいため、以下のような専用のチェックシートを1枚作成しておくと、算定根拠として整理されやすくなります。以下の内容は一例です。

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項目内容・記録欄担当者印
利用者名くまくま 様
帰宅期間202X年 1月18日(土) 〜 1月21日(火)(計4日間/中2日)
家族等連絡先氏名:〇〇(続柄:母) 連絡方法:電話・メール
① 連絡調整内容 受入承諾の確認(済) 持参薬・所持品の確認(済)
② 交通手段確保自分で帰宅・ 家族送迎・ スタッフ送迎
③ 帰宅中の確認日付:1/19 内容:自宅での様子・健康状態の聞き取り
④ 帰設後の状況食事・睡眠・精神状態の変化:特になし(良好)
備考(特記事項)次回帰省予定:3月のお彼岸時期を希望されている。

家族との連絡経過記録(支援記録内容)

家族との連絡調整を支援記録として残すのはとても重要です。連絡経過を記録として残す場合の一例を作成してみました。

帰宅前(連絡調整・準備)

[202X/01/10] ご本人より「来週末は実家でゆっくりしたい」との希望あり。母親へ電話連絡し、受入可能か確認。1月18日(土)〜21日(火)の帰省が決定。 支援内容: 帰省中の服薬(朝・昼・晩・就寝前)を小分けにして準備し、持参薬の内容を母親へメールで共有。最寄駅までのバス時刻表を本人に渡し、切符の購入を補助した。

帰宅中(中日の様子伺い) ※長期帰宅時支援加算で重要

[202X/01/19] 自宅での様子を確認するため母親へ連絡。「生活リズムも崩れず、落ち着いて過ごしている」とのこと。21日の戻り時間について、予定通り16時頃にホーム着となるよう調整した。

戻り時(今後の支援への反映)

[202X/01/21] 実家より帰設。本人より「親戚に会えて楽しかった」と報告あり。母親からは「少し夜更かし気味だった」と情報共有を受ける。 支援内容: 帰省中の生活状況を把握。次回の個別支援計画更新時、外泊によるリフレッシュ効果と夜間の過ごし方について検討事項とする。

よくある質問

帰宅時支援加算、長期帰宅時支援加算についてよくある質問をまとめました。

帰宅期間を数える注意点はありますか?

障害者グループホームから外泊する初日や最終日は帰宅期間の算定に入れないため注意が必要です。

長期帰宅時支援加算で収益増になりますか?

長期帰宅時支援加算は、一時的に帰省した利用者が、再度グループホームの支援を受けやすいよう報酬を算定するものであり、収益安定や改善するものではありません。

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参考:厚生労働省|令和6年度 障害福祉サービス等報酬改定関連ページ
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202214_00009.html
 報酬告示・通知・Q&Aなど、改定内容全般に関する公式情報。

まとめ

「帰宅時支援加算」「長期帰宅時支援加算」を算定しても事業の収益が安定してアップするものではありません。基本報酬の方が高い報酬算定となっています。
あくまで複数回の帰省・長期的な帰宅が必要な利用者さんが継続的にグループホームの利用を続けてもらうための対応に応じた加算となっています。

障害者グループホームのスケジュールや利用者の状態を見て、やむをえず帰宅させる場合に加算も併せて活用いたしましょう。

くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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