サビ管が突然辞めたら即減算!?「人員欠如減算」を防ぐタイムリミットと特例措置

こんにちは。 大阪で障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。
就労継続支援(A型・B型)や就労移行支援、グループホームなどの障害福祉サービス事業所において、絶対に欠かすことのできないキーマンが「サービス管理責任者(サビ管)」です。 個別支援計画の作成から現場スタッフの指導までを担うサビ管は、まさに事業所の中心。
しかし、このサビ管が「体調不良で突然来なくなった」「人間関係のトラブルで急に退職代行から連絡が来た」といった事態は、どの事業所にも起こり得るリアルな危機です。
サビ管が不在になると、事業所は指定基準(人員基準)を満たせなくなり、「人員欠如減算」になる可能性もあります。
今回は、サビ管が突然辞めてしまった時に事業主が取るべき「正しい初動対応」と「減算を防ぐタイムリミット」について徹底解説します。
✅ この記事を読んでわかること
- 【タイムリミット】 基本報酬が30%カットされる「人員欠如減算」の開始時期
- 【防衛策①】 減算をギリギリで回避するための「30日ルール」の仕組み
- 【防衛策②】 資格がなくても最長1年しのげる「みなし配置」の特例と条件
基本報酬30%カット!減算のタイムリミット

サビ管が辞めたからといって、その日のうちにいきなり売上が減るわけではありません。行政のルールには一定の「タイムリミット(猶予期間)」が設けられています。
サビ管の人員欠如による減算は、原則として「人員基準を満たさなくなった月の【翌々月】から」適用されます。
【スケジュール例】
- 4月15日: サビ管が突然退職した(人員欠如の発生)。
- 4月中: この月は「欠如した月」としてカウントされますが、まだ減算はされません。
- 5月中: 依然としてサビ管が見つからない状態。
- 6月1日〜: ここから「人員欠如減算(基本報酬の30%カット)」がスタートします!
さらに恐ろしいことに、この状態を放置して人員欠如が「5ヶ月以上」続いた場合、6ヶ月目からは「基本報酬の50%(半分)カット」という致命傷になります。 つまり、残された猶予は、実質的に「サビ管が辞めた翌月の末日まで」ということになります。
減算を回避する「30日ルール」とは?

「翌々月から減算なら、1ヶ月半くらいで新しいサビ管を探せばいいんだな」と思うかもしれませんが、ここにも落とし穴があります。
行政は、サビ管が欠如した状態での個別支援計画の作成やサービス提供を重く見ています。そのため、人員欠如による影響を最小限に抑えるための「30日ルール(1割特例の考え方に基づく運用)」が存在します。
これは、「サビ管が退職した日から『30日以内』に、基準を満たす新しいサビ管を配置できれば、人員欠如減算の対象とはしない(人員が満たされていたとみなす)」という救済措置です。
- 退職日: 4月15日
- リミット: 5月14日までに新しいサビ管を雇用・配置し、行政へ変更届を提出する。
この30日以内に新しいサビ管を確保できれば、6月からの30%カットは免れます。 求人を出して面接をし、前職の引き継ぎを待って…となると、30日はあっという間です。日頃からサビ管の採用ルート(紹介会社や知人のネットワーク)を確保しておくことが最大の防衛策となります。
「やむを得ない事由」による【みなし配置】の特例

「30日以内に新しいサビ管を見つけるなんて絶対に無理だ!」 そんな事業主様のために、行政は最後の命綱として「やむを得ない事由による、みなし配置(サビ管の特例配置)」という制度を用意しています。
これは、サビ管が「予期せぬ理由」で突然不在になった場合に限り、まだサビ管の資格(研修修了)を持っていないスタッフであっても、最長で1年間、暫定的にサビ管として「みなす(配置してよい)」という特例です。
【みなし配置が認められる「やむを得ない事由」とは?】
・サビ管の急死、または急な病気やケガによる長期入院。
・配偶者の急な転勤に伴う退職。
・突然の失踪や、退職代行等を使った予測不可能な即日退職。
※「定年退職」や「数ヶ月前から決まっていた円満退職」などは、事前に準備ができたはずとみなされ、特例は認められません。
【 誰を「みなしサビ管」にできるのか?】
誰でも良いわけではありません。以下の条件を満たすスタッフである必要があります。
- サビ管の「実務経験要件(障害福祉の現場で3〜8年以上の経験など)」をすでに満たしていること。
- 基礎研修や実践研修を「まだ受講していない」だけであること。
この条件を満たすスタッフがいれば、行政に事情を説明し「みなし配置の特例」の申請を行うことで、最長1年間は減算されずに事業を継続できます。その1年間のうちに、そのスタッフに急いで研修を受講させるか、新しいサビ管を採用すれば良いのです。
よくある質問(Q&A)

まとめ:一番やってはいけないのは「隠ぺい」です

サビ管が急に辞めた時、事業主様が絶対にやってはいけないこと。それは「行政に黙っておく(隠ぺいする)こと」です。
「新しい人が見つかるまでバレないだろう」と、退職したサビ管の名前をそのまま勤務表に残したり、個別支援計画に勝手に印鑑を押したりする行為は不正請求です。 運営指導や、元従業員からのタレコミでこれが発覚した場合、減算どころの話ではありません。
- サビ管が辞めたら、速やかに役所(指定権者)へ状況を報告・相談する。
- 「変更届」を正確に提出する。
- みなし配置の特例が使えないか、社内の人材の実務経験を洗い出す。
これが正しい危機管理のステップです。




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