【廃業回避】就労継続支援B型がつぶれる3つの共通点と黒字化への具体策|稼働率と加算で収益改善

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競合激化の時代、あなたの事業所は大丈夫ですか?

「近所に新しいB型事業所ができて、利用者が流れてしまった…」 「サビ管が辞めてしまい、減算のリスクに怯えている」 「毎月赤字続きで、いつまで資金が持つか不安だ」

大阪・泉州地域でも就労継続支援B型の開設ラッシュが続いており、このような相談を行政書士として受けることが増えました。 厚生労働省のデータでも、B型事業所はここ数年で約1.6倍に急増しており、もはや「作れば埋まる」時代は終わりました。現に、約3割の事業所が赤字経営という厳しいデータもあります。

就労継続支援B型が約3割の事業所が赤字経営という厳しいデータ

出典:2021 年度(令和 3 年度)日中活動系障害福祉サービスの経営状況について

しかし、「つぶれる事業所」には明確な共通点があり、逆に言えばそこを修正すればV字回復は可能です。 この記事では、B型事業所が経営難に陥る本当の原因と、明日からできる具体的な経営改善策(黒字化ノウハウ)を徹底解説します。

今回の記事を読むことで、就労継続支援B型を運営する方の現状把握と経営改善につながればと思います。

この記事を読んでわかること
・就労継続支援B型がつぶれる原因
・就労継続支援B型が抱える課題・問題点
・就労継続支援B型の生き残り戦略

目次

なぜ?就労継続支援B型が「つぶれる」3つの共通点

「利用者が来ない」というのは結果であって、原因ではありません。つぶれる事業所が抱える根本的な原因は以下の3つです。

平均工賃」が低く、基本報酬が下がっている

B型事業所の売上の柱である「基本報酬」は、利用者に支払う「平均工賃月額」によって決まります。 工賃が低いと、事業所に入ってくる報酬単価も最低ランクになります。

負のスパイラル: 工賃が安い → 利用者が集まらない → 売上が下がる → さらに工賃が出せない このサイクルに入っている事業所は非常に危険です。

就労継続支援B型の経営悪化の負のスパイラル図。工賃が安いと利用者が集まらず、売上が下がり、さらに工賃が出せなくなる悪循環を示した図解

サビ管不在による「運営基準減算」の放置

B型事業所が閉鎖に追い込まれる最大のトリガー(引き金)がこれです。 サービス管理責任者(サビ管)が退職し、後任が見つからない場合、数ヶ月後には報酬が大幅にカット(減算)されます。 「なんとかなるだろう」と放置し、減算が始まってから慌てても手遅れです。

「待ち」の姿勢で、相談支援専門員と連携できていない

「良い支援をしていれば、自然と利用者は集まる」というのは幻想です。 地域の利用者の動きを握っているのは「相談支援専門員」です。彼らに向けて自社の強み(どんな作業があるか、送迎範囲はどこか)を適切に営業できていない事業所は、新規の紹介がストップし、先細りしていきます。

赤字から脱却!すぐに着手すべき「3つの黒字化対策」

数字を変えるための具体的なアクションプランを紹介します。

対策①:まずは「定員稼働率」をあげる(利用回数の増加)

新規利用者を1人獲得するのは大変ですが、既存の利用者に「もう1日多く」来てもらうことは比較的容易です。

アクション:

  • 週3日利用の人に「週4日来ませんか?」とアプローチする。
  • そのために、魅力的なレクリエーションや、新しい作業種別(座ってできるPC作業など)を用意する。
  • 稼働率が10%上がれば、利益率は劇的に改善します。
就労継続支援B型の損益分岐点グラフ。稼働率70%〜80%で売上が固定費を上回り黒字化することを示した図

対策②:取りこぼしている「加算」をすべて拾う

面倒だからといって、取れるはずの加算を申請していないケースが多々あります。 特に以下の加算は要チェックです。

  • 食事提供体制加算: 昼食を提供することで算定(※利用者負担の軽減にもなり満足度UP)
  • 送迎加算: 送迎体制を見直す
  • 処遇改善加算: これを取らないと職員の給料が上がらず、離職の原因になります。「事務作業が面倒」なら、行政書士に外注してでも取るべきです。
就労継続支援B型の加算有無による売上比較グラフ。基本報酬のみの場合と、食事提供体制加算・送迎加算・処遇改善加算を取得した場合の収益差を表した棒グラフ

対策③:工賃アップで「報酬単価」を上げる

「目標工賃達成指導員配置加算」などを活用しつつ、工賃を上げる努力をしましょう。 工賃が上がれば、事業所の「基本報酬」のランクが上がります。さらに「あそこは工賃が高い」という評判が立てば、利用者が集まりやすくなります。

ヒント: 施設外就労(一般企業への出向作業)を積極的に取り入れると、工賃を上げやすい傾向にあります。

今後の生き残り戦略:「勝てる事業所」

これからの時代、生き残るB型事業所には「特徴(コンセプト)」があります。

  • 特化型: 「eスポーツ特化」「農作業特化」「ハンドメイド特化」など、ターゲットを絞る。
  • 高工賃型: 「月額3万円以上目指せます」と打ち出し、働きたい意欲のある層を取り込む。
  • 重度対応型: 他の事業所で断られた方を積極的に受け入れ、加算で収益を確保する。

「なんでもやります」は「なにも強みがない」のと同じです。自社の強みを再定義し、パンフレットやホームページで発信していくことが重要です。

よくある質問

就労継続支援B型の損益分岐点は、利用率何%くらいですか?

一般的には定員稼働率70%〜80%が損益分岐点の目安と言われています。 ただし、家賃や人件費の設定、そして「加算」をどれだけ取れているかによって大きく変わります。稼働率が低いのに黒字の事業所は、例外なく「高単価な加算(処遇改善加算や目標工賃達成加算など)」をフル活用しています。

サビ管(サービス管理責任者)が急に退職しました。すぐに閉鎖になりますか?

すぐに閉鎖にはなりませんが、「運営基準減算」のリスクが極めて高くなります。 サビ管不在の場合、最大1年間は猶予があるケースもありますが、翌々月から報酬が30%カット(減算)されるなど、経営に致命的なダメージを与えます。「みなし配置」ができるケースもあるので、退職が決まった時点で即座に行政書士や指定権者(自治体)へ相談してください。

「利用者が集まらない」という理由で、赤字のまま放置して良い期間は?

開業後、半年経っても稼働率が50%を超えない場合は、事業モデル自体(立地・作業内容・営業方法)を見直す必要があります。 運転資金が尽きてからでは遅いです。「創業融資」の返済が始まる前に、一度専門家による経営診断を受けることを強くおすすめします。

競合が増えすぎて、これからの新規参入は無謀でしょうか?

「何の特徴もない事業所」を作るなら無謀ですが、「コンセプトが明確な事業所」なら勝機は十分にあります。 例えば、「eスポーツ特化」「女性専用」「高工賃(作業重視)」など、ターゲットを絞った事業所は、既存の大手事業所からあぶれた利用者層を取り込めるため、短期間で満床になるケースも多々あります。

赤字続きで閉鎖(廃止)を考えていますが、利用者はどうすればいいですか?

事業所を閉鎖する場合、利用者全員の「次の行き先」を確保する義務があります。 突然「明日で閉めます」とは言えません。最低でも1ヶ月以上前(可能であればもっと早く)に利用者・家族・相談支援専門員に説明し、近隣の事業所への引き継ぎ調整を行う必要があります。

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まとめ:経営改善は「数字」の把握から

「つぶれるかも…」という不安は、現状の数字(収支)が見えていないからこそ生まれます。 まずは以下の3つを確認してください。

  1. 今の稼働率は何%か?(損益分岐点は超えているか?)
  2. 今の平均工賃で、基本報酬のランクは適切か?
  3. 算定できる加算を取りこぼしていないか?

これらを見直し、一つずつ改善していけば、経営は安定していくはずです。

くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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