【泉州で開業】国の本には載っていない?「大阪・泉州地域」の障害福祉独自ルールと設備基準

こんにちは。 大阪・泉州地域(岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、熊取町、田尻町、岬町)で、障害福祉専門の事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。
現在、私自身も開業準備のためにリサーチを重ねていますが、現場のオーナー様からはこんな悲鳴をよく耳にします。 「本屋で買った『障害福祉の開業ガイド』通りに図面を作ったのに、役所でダメ出しされました…」
実はそれ、無理もありません。 障害福祉のルールは、国が決める「最低基準」の上に、都道府県や各自治体の「独自ルール(条例・運用)」が乗っかっているからです。
今回は、私が活動拠点としている大阪・泉州地域で「就労継続支援B型」の開業を目指す皆様に向けて、指定申請で絶対にクリアしなければならない「指定権者の罠」と「設備の4つの壁」をシェアします。
ここを知らずに進めてしまうと、「申請先が違って書類作り直し」や「壁の作り直しで数百万円の損」という事態になりかねません。お互い、契約前には細心の注意を払いましょう!
この記事を読んで分かること
・大阪市の手引き」を見て開業準備をすると失敗する理由
・岸和田・貝塚・泉佐野…「泉州地域」で開業するなら知っておくべき設備のツボ
・これを知らないと工事やり直し!?「手洗い」「鍵付き書庫」のローカルルール

「指定権者」が細かすぎる!窓口はどこ?の罠
設備の話をする前に、大阪で開業するなら絶対に知っておかなければならない「大前提」があります。
他の県では「県庁」が一括して管轄していることが多いですが、大阪は違います。 「どこに事業所を置くか」によって、申請先(ルールブック)がガラリと変わるのです。

政令指定都市・中核市の場合
(大阪市、堺市、東大阪市、高槻市、豊中市、枚方市、八尾市、寝屋川市、吹田市など)
ルール: それぞれの「市」が独自の権限と手引きを持っています。
【ここが罠!】 「大阪市の手引き」を見て勉強していたけど、開業場所は「堺市」だった。 ⇒ ルールが違うのでNG! 同じ大阪府内でも、市が変われば「別世界」だと思ってください。
その他の市町村(泉州地域など)の場合
(岸和田市、貝塚市、泉佐野市、熊取町など)
ルール: 基本的には「岸和田広域事業者指導課」が管轄ですが、計画相談は市です。また、移動支援・日中一時支援などは市独自の事業であるため各市町村に申請となります。
注意点: 窓口が市役所なのか、府の出先機関なのか、サービス種別によっても異なる場合があります。
泉州地域で見られる「設備基準」4つの落とし穴(就労継続支援B型)

管轄の役所が分かったところで、次は泉州地域(広域事業指導課)の審査で特に厳しく見られる就労継続支援B型の「設備」のポイントをご紹介します。
「一般的なテナントを借りました。内装はこれからです」 そんな段階の方が多いと思いますが、就労継続支援B型ならではの以下の4点は必ず図面段階でクリアしてください。
① 利用者一人あたりの広さは「支障のない広さ」
支障のない広さとは「訓練・作業室は利用者1人あたり3.0㎡」と考えればいいかと思います。
ここがポイント: 利用者一人当たりの面積が3.0㎡。最低定員が10名であることから訓練指導室の最低面積は30㎡が必要です。
指定権者によって、一人当たりの面積が3.3㎡や「支障のない広さ」で具体的な数字を決めていない場合もあります。
② 相談室は「多目的室」との兼務設置を検討する
プライバシーを守るための「相談室」は必須ですが、限られたスペースで個室を確保するのは大変ですよね。
ここがポイント: 泉州地域の運用では、必ずしも「相談専用の個室」である必要はありません。「相談室兼多目的室」として設置することが認められています。 ただし、相談室としては、利用者のプライバシーが確保できる空間であることが求められます。間仕切り等を設けるなど、秘密保持のための措置が必要です。
③ トイレのタンク手洗いとは別に「洗面所」が必要
就労B型は「日中活動の場」であり、作業内容によっては手が汚れることも多いため、衛生管理は厳しく見られます。
ここがポイント: 「トイレのタンクについている手洗い器があるからOK」ではありません。 感染症対策(衛生管理)の観点から、「トイレを出た場所に、独立した手洗いができる洗面所」の設置が求められます。 もしトイレ内にしか手洗いがない場合、トイレの外に新たに洗面台を設置する配管工事が必要になります。これが意外と高額になります。また、「手洗い場には石鹸やペーパータオル、アルコール消毒を常備すること」も実地指導のチェック項目です。
④ 個人情報を守る「鍵付き書庫」の設置
就労B型では、個別支援計画書やアセスメントシート、工賃の計算台帳など、重要な個人情報を扱います。
ここがポイント: ただのカラーボックスや、鍵のない棚では認められません。 「鍵のかかる書庫(ロッカー)」の設置が必須です。審査の際、写真や図面で「どこに配置するか」「鍵はあるか」を必ず確認されます。 事務室のスペースを考える際は、デスクの配置だけでなく、この「鍵付き書庫」を置く場所を最初に確保してください。
消防署との連携も必須
福祉施設を開業する場合、上記の福祉的な設備基準だけでなく、消防法の基準もクリアしなければなりません。
- 自動火災報知設備
- 誘導灯
- 消火器
これらは、一般的な事務所や住宅よりも厳しい基準が適用されます。内装工事が終わった後に「消防法適合証が出ない!」となると、追加工事で工期が伸び、家賃だけが発生する事態になります。必ず図面段階で所轄の消防署へ事前相談に行きましょう。
よくある質問(Q&A)

大阪・泉州地域での開業について特によくある質問をまとめました。
- マンションの一室(3LDKなど)でも就労B型は開業できますか?
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不可能ではありませんが、グループホームに比べてハードルは非常に高いです。 就労B型は「作業室」として、利用者1人あたり3.0㎡以上の有効面積が必要です。マンションは部屋が細かく区切られていることが多く、壁を撤去しないと広い作業スペースが確保できないケースが多々あります。 また、近隣住民への配慮(作業音や送迎の出入り)から、管理組合の許可が下りないことも多いため、テナント物件の方がスムーズに進む傾向にあります。
- 給食を提供したいのですが、本格的な厨房設備が必要ですか?
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「どこまでやるか」によって変わります。
・食材を切って調理する: 飲食店営業許可レベルの本格的な厨房設備(二槽シンク、手洗い、区画など)が必要です。 内装費を抑えたい場合は、外部の配食サービス(クックチル等)を活用し、厨房設備を簡素化するのも一つの経営戦略です。・お弁当を取り寄せて出すだけ・湯煎して盛り付けるだけ: 一般的な家庭用キッチンでも許可が下りる場合があります(※保健所への確認は必須)。
- 「車椅子の利用者は受け入れない」予定ですが、多機能トイレ(バリアフリー)は必須ですか?
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大阪府には「福祉のまちづくり条例」があり、一定規模以上の施設には多機能トイレの設置が求められます。 小規模な事業所であっても、行政窓口からは「今は車椅子がいなくても、将来受け入れる可能性があるなら整備すべき」「地域に開かれた施設であるべき」という理由で、バリアフリー化を求められるケースが泉州地域でも増えています。後から工事するのは大変なので、最初からバリアフリー済みの物件を探すのが賢明です。
- トイレの手洗いがタンク式しかありません。リフォーム代をかけずに通す方法はありますか?
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残念ながら、衛生管理の基準は厳格です。 感染症対策の観点から、トイレを使用した後にしっかりと手洗いができる「独立した洗面設備」が求められます。タンク上の手洗いは「簡易的なもの」とみなされ、不可とされる可能性が高いです。どうしても配管工事が難しい物件の場合、指定が下りないリスクがあるため、物件選びの段階で「洗面所の位置」を確認することが重要です。

まとめ:泉州での開業は「地元の情報」が命

大阪・泉州地域での開業で失敗しないためのポイントは以下の通りです。
- 管轄確認: まず役所に電話し、「自分の事業所の指定権者(ルールブック)」を特定する
- 広さ: 数字だけでなく「支障のない動線・有効面積」を確保する
- 相談室: 多目的室との兼務が可能か確認し、適切なパーティション等を設置
- 手洗い: トイレタンクとは別に、独立した洗面所を設置
- 保管: 個人情報のための「鍵付き書庫」を設置
「大阪市内なら通ったのに、泉州では指摘された」というケースも珍しくありません。
もし、同じ地域で開業を目指している方がいらっしゃれば、私の持っている情報がお役に立てるかもしれません。
一緒に、泉州地域の福祉を盛り上げていきましょう!




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