【就労B型】「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」の算定要件・実地指導で返還を防ぐ

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こんにちは。 大阪・泉州地域(岸和田市、貝塚市、泉佐野市)で、障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。

就労継続支援B型の経営において、安定収益の鍵は「加算」の戦略的活用にあります。 多くの事業所が「処遇改善加算」や「送迎加算」は取得していますが、実はもっと単価が高く、競合との差別化になる加算があるのをご存知でしょうか?

それが、今回解説する「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」です。 1日あたり最大500円以上がプラスされるこの加算。もし要件を満たしているのに申請していないとしたら、年間で数百万円単位の機会損失になっている可能性があります。

今回は、この加算の「正確な算定要件」と、実地指導で指摘されないための「リスク管理」について解説します。

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目次

1. 【2024年報酬改定対応】加算の単位数と仕組み

令和6年度(2024年度)の報酬改定により、この加算は対象利用者の割合によって「Ⅰ」と「Ⅱ」の2段階に分かれました。

単位数(1日につき)金額目安(1割地域)利用者の要件
加算(Ⅰ)51単位約510円対象者が50%以上
加算(Ⅱ)41単位約410円対象者が30%以上

【経営的なインパクト】 もし加算(Ⅱ)を算定した場合、利用者1人あたりの増収額は以下のようになります。

  • 410円 × 20日利用 = 約8,200円 / 月
  • 年間で 約98,400円 の増収(利用者1人あたり)

これが定員20名の事業所で利用者全員に適用された場合、事業所全体での収益インパクトは非常に大きなものになります。 専門職員を配置する人件費コストを考慮しても、十分にメリットが出る金額設定といえるでしょう。

2. 算定するための「2つの壁」

この加算を取得するためには、複雑な要件をクリアする必要があります。 イメージしやすいように、要件を「2つの壁」として整理しました。

① 利用者の壁(30%・50%ルール)

全利用者のうち「視覚・聴覚・言語機能に重度の障害がある者」の割合が、30%以上(加算Ⅱ)または50%以上(加算Ⅰ)であること。

「重度の障害」とは?

  • 視覚障害: 身体障害者手帳 1級〜2級(相当)
  • 聴覚障害: 身体障害者手帳 2級(相当)
  • 言語機能障害: 身体障害者手帳 3級(相当)

② 職員の壁(専門職員の配置)

ここが一番のハードルです。 対象となる利用者との意思疎通に関し、「専門性を有する職員」を配置する必要があります。

配置人数の計算式:

(利用者の総数 ÷ 40)以上 ※例:利用者20名なら、常勤換算で0.5人分以上の配置が必要。


3. 最大の難関!「専門性を有する職員」とは誰のこと?

実地指導(運営指導)において、最も厳しくチェックされるポイントがここです。 単に「手話サークルに入っていたので手話ができます」というスタッフでは、専門職員として認められません。 以下の資格や研修が必要です。

  1. 言語聴覚士 (ST)(資格保有者)
  2. 視能訓練士 (ORT)(資格保有者)
  3. 点字指導員(資格保有者、養成研修修了者など)
  4. 手話通訳士・手話通訳者(都道府県の登録試験合格者など)
  5. 手話奉仕員(養成研修修了者)
  6. 要約筆記者(養成講座修了者)
  7. その他、盲ろう者向け通訳・介助員など

【アドバイス】 必ず「修了証書」や「登録証」「それを証明できる(履歴書や職務経歴書)」のコピーを事業所に保管してください。 実地指導の際、指定権者は「根拠資料」を求められる可能性があります。口頭説明だけでは認められず、返還対象となるリスクがあります。

4. 実地指導で「返還」になる原因第1位はこれ

要件管理がシビアです。特によくある失敗が「利用者割合の変動」の管理不足です。

恐怖の「30%割れ」見逃し

(例)

  • 先月まで対象者が6名(全20名中)で、割合30%ギリギリだった。
  • 今月、対象者が1名退職し、5名(25%)になった。
  • うっかりそのまま加算を請求し続けてしまった。

➡︎ 【結果】 実地指導で発覚し、数年分遡っての返還命令。

【対策】 毎月1日の時点で、必ず「利用者割合チェックシート」を作成し、記録に残してください。 1%でも下回ったら、その月から加算を取り下げる「変更届」が必要です(※自治体により取り扱いは異なりますが、加算算定をストップする処理は必須です)。

よくある質問(Q&A)

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算についてよくある質問をまとめました。

職員は「常勤」でなければなりませんか?

常勤である必要はありません。 非常勤(パート)でもOKですが、勤務時間数(常勤換算)が要件を満たしている必要があります。

「重度」ではない視覚・聴覚障害者はカウントできますか?

原則カウントできません。 ただし、障害支援区分認定の調査項目(コミュニケーション等)の状況によっては対象となる例外もあるため、必ず事前に役所(指定権者)へ相談してください。

専門職員は、生活支援員や職業指導員と「兼務」してもいいですか?

はい、兼務可能です。 例えば、「生活支援員」として配置されている職員が、手話通訳士の資格を持っている場合、その職員をこの加算の専門職員としてカウントすることができます。 ただし、その時間は「専門職員としての業務(意思疎通支援)」を行っている必要がありますので、業務日報等でその動きが分かるようにしておくことが望ましいです。

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参考:厚生労働省|令和6年度 障害福祉サービス等報酬改定関連ページ
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202214_00009.html
 報酬告示・通知・Q&Aなど、改定内容全般に関する公式情報。

5. まとめ:経営戦略としての「障害特化」

この加算はハードルが高いですが、その分、競合が少ない「ブルーオーシャン」です。

もしこれから集客に力を入れるなら、 「うちは聴覚障害の方の受け入れ体制が万全です(手話スタッフ常駐)」 と打ち出してみてはいかがでしょうか?

そうすれば、遠方のエリアからも「あそこなら安心だ」と利用者が集まり、自然と「30%の壁」もクリアでき、高単価な経営が可能になります。 「加算のための経営」ではなく、「専門性を高めた結果ついてくる加算」を目指しましょう。

くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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