【医療的ケア:医療的ケア対応支援加算と看護職員加算を解説】

障害者グループホームは地域で生活するための住まいとしての役割があります。日本の高齢化に伴い、障害者の方も高齢化が進んでいます。そのため、医療的なケアが必要な利用者が増えている現状があります。
また、日本の医療の発達に伴い、乳児の生存率が上がったことにより医療的なケアが必要な障害者が増えているといった報告もあります。厚生労働省の資料によると、令和3年時点で全国の医療的ケア児は約2万人です。平成17年から約20年間で、約2倍に増えています。
このように入居されている利用者に継続して生活してもらえる場の提供と、医療的ケアが必要な利用者が住める場所を増やすという意味で医療的ケアを対応する必要性が増え始めています。
この記事では、医療的ケアの概要と、障害者グループホームで支援を行った際に算定できる加算についてご紹介します。
この記事を読んで分かること
・医療的ケアとは何かを分かる
・障害者グループホームの医療的ケア対応支援加算と看護職員配置加算の算定が分かる
・医療的ケア対応支援加算+看護職員配置加算と医療連携支援加算の選び方が分かる

医療的ケアとは

「日常生活に必要な医療的な生活援助行為」を、「治療行為としての医療行為」とは区別して「医療的ケア」と呼びます。例えば、家や学校などで日常的に継続して行われる医療的な生活援助行為を医療的ケアといいます。
医師のみができる「医行為」と違い、医療的ケアは医師以外でも実施可能です。ただし、誰もがどんな医療的ケアもできるというわけではありません。家族を除けば基本的には医師や看護師などの医療資格保有者に限られます。ただし、一定の条件を満たせば資格がなくても医療的ケアができます。
例えば介護職員など、家族や医療従事者以外の介護者が医療的ケアを担う場合は、特定の研修を受け医療的ケアの手技を獲得すれば「たんの吸引」と「経管栄養の一部」に限って実施することが可能です。
令和3年度障害福祉サービス等報酬改定で設けられた医療的ケアの判定スコアでは、医療的ケアの種類として次の14項目があげられています。
【参照】令和3年度報酬改定における医療的ケア児に係る報酬(児童発達支援及び放課後等デイサービス)の取扱い等について|厚生労働省
医療的ケアの判定スコア

医療的ケアの概要を知ったところで、障害者グループホームでの対応時の加算について確認しましょう。
医療的ケア対応支援加算

障害者グループホームにおいて医療的ケア児者に対してサービスを実施し、看護職員を必要とされる数以上配置している場合に算定できる加算です。
算定要件
- 指定基準の人員配置に加えて看護職員(保健師/看護師/準看護師)を常勤換算1以上配置する(※非常勤でも可)
- 医療的ケア判定スコアに記載の医療を必要とする利用者がいる
・グループホームで「医療的ケア対応支援加算」を算定するには、利用者に医療ケアが必要かどうかを判断しないといけません。上記の「医療的ケア判定スコア」を参照し、利用者、家族、主治医から聞き取ったり、看護職員が確認したりして、事業所で判断する必要があります。
看護職員配置加算

医療的ケア対応加算取得には看護職員の配置が必要となります。そのため、看護職員配置加算も同時に算定することが可能となります。
看護職員配置加算は、基準の人員(=世話人の必要な常勤換算数)に加えて「看護職員」を常勤換算で1.0以上追加で配置し、適切に健康管理等をすることで可能になります。※「看護職員」 = 保健師/看護師/准看護師
準備する書類
- 「看護職員配置加算」を算定するための届出(看護職員の配置状況、利用者の数、必要な看護職員の配置数)
- 雇用契約
- 労働条件通知書
- シフト表
- 出勤管理表
医療的ケア対応支援加算と看護職員配置等加算を両方を算定すると、1日で合計190単位(約1900円)となります。ただし「看護職員配置等加算」は、医療的ケアを必要としない利用者でも算定できるのでご注意が必要です。
医療的ケア対応支援加算+看護職員加算と医療連携支援加算のどちらを選ぶか

医療的ケアが常に必要な人は少数です。、看護師1名を配置しても赤字になる可能性もあります。そこで通常、他の医療機関と連携することにより、医療連携体制加算の算定も検討しましょう。
医療機関との契約に基づき、看護職員が訪問して、利用者に対して医療サービスを提供します。訪問看護の時間や提供する医療内容に応じて、加算の単位数が異なるため、事業所側は要件に沿った看護を提供しなければなりません。
- 医療連携体制加算(Ⅳ)
看護職員が事業所を訪問して医療的ケアを必要とする利用者に対して看護を行った場合
利用者が1人の場合:800単位/日
利用者が2人の場合:500単位/日
利用者が3人以上8人以下の場合:400単位/日 - 医療連携体制加算(Ⅴ):500単位/日
看護職員が介護職員等に喀痰吸引等に係る指導のみを行った場合 - 医療連携体制加算(Ⅵ):100単位/日
研修を受けた介護職員等が喀痰吸引等を実施した場合

このように医療機関が障害者グループホームを設立し、訪問看護を派遣するのであれば看護職員加算及び医療的ケア対応支援加算を取得し支援の質の向上を図るのも一つですが、障害者グループホーム単体である場合は、医療的ケアの利用者人数等も考慮し、訪問看護師との連携をする医療連携支援加算の導入する方が良いのかもしれません。
よくある質問

医療的ケア対応支援加算についてよくある質問をまとめました。

まとめ
障害者グループホームは地域で生活するための住まいとしての役割があります。障害者の方も高齢化が進んだり、日本の医療の発達に伴い、医療的なケアが必要な障害者が増えているといった点から、医療的ケアが必要な利用者が増えている現状があります。
入居されている利用者に継続して生活してもらえる場の提供と、医療的ケアが必要な利用者が住める場所を増やすという意味で医療的ケアを対応する必要性があり、今回ご紹介した医療的ケア対応支援加算+看護職員配置加算、又は医療連携支援加算の導入を検討してみてはいかがでしょうか。




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