就労継続支援B型は儲かる?「月100万残す」収支シミュレーションと黒字化の正攻法

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「福祉で儲ける」は悪いこと? 実態は二極化しています。

こんにちは。 大阪・泉州地域(岸和田市、貝塚市、泉佐野市)で、障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。

「就労継続支援B型事業所を立ち上げたいけれど、実際のところ儲かるの?」 これから参入を考える経営者様にとって、最も気になる点でしょう。

結論から申し上げますと、就労継続支援B型は、正しい戦略で行えば安定して利益が出る事業です。 しかし、制度を理解せずに見切り発車した事業所は、1年足らずで資金ショートしています。

今回は、「役所に評価されながら、しっかりと利益を残す」ための収支構造を、リアルな数字を使って解説します。

この記事を読むことで分かること
【結論】
 就労継続支援B型は本当に儲かるのか? その「収益構造」と「赤字になる原因」
【戦略】 利益を最大化する分岐点は「7.5:1の人員配置」と「稼働率90%」にある
【注意】 「利用者の工賃」と「会社の利益」を混同するとどうなる? 実地指導でNGになる会計

目次

1. まず理解すべき「2つの財布」の絶対ルール

「就労継続支援B型事業所は、利用者を安く働かせて儲けている」 ネット上でたまに見かける批判ですが、これは大きな誤解です。 なぜなら、就労継続支援B型には「会計上の2つの財布」が存在し、これらは明確に分けなければならないからです。

① 事業運営の財布(訓練等給付費)

  • 収入源: 国(国保連)からの給付金。全体の売上の約9割。
  • 使い道: 職員の給与、家賃、光熱費、そして「会社(経営者)の利益」。
  • ポイント: ここを最大化することが、儲かる経営の正解です。

② 利用者の財布(生産活動収入)

  • 収入源: パン販売、内職作業、清掃受託などの売上。
  • 使い道: 材料費などの必要経費を除き、全額を「工賃」として利用者に支払う。
  • ポイント: ここから会社の利益を抜くことは禁止されています(会計区分を分ける義務)。

つまり、「儲かるB型」とは、利用者の工賃をピンハネする事業所ではなく、「質の高い支援体制を作って、国から高い評価(単価)を得ている事業所」のことなのです。

2. 利益を左右する「報酬単価」の仕組み

B型の報酬(売上)は、以下の3要素で決まります。

  1. 人員配置体制(スタッフが手厚いほど高い)
  2. 平均工賃月額(利用者に高い工賃を払っているほど高い)
  3. 定員規模(小規模なほど単価が高い)

狙うべきは「7.5:1」以上の配置

多くの赤字事業所は、基準ギリギリの「10:1(利用者10人にスタッフ1人)」で運営しています。 しかし、儲かっている事業所は、あえて人を多く雇う「7.5:1」や「6:1」の体制を取ります。

人員配置基本報酬(平均工賃1万〜1.5万円の場合)
10:1(基準配置)532単位(約5,320円)
7.5:1(手厚い配置)584単位(約5840円)
6:1(超手厚い配置)673単位(約6730円)

人件費は増えますが、それ以上に売上の増加幅が大きいのがこの制度の特徴です。 さらに、手厚い配置は「スタッフの疲弊」を防ぎ、離職率を下げる効果もあります。

厚生労働省HP より引用

3. 【シミュレーション】リアルな収支計算

では、(地区単位10円)で、定員20名の事業所を運営した場合のシミュレーションを見てみましょう。 ここでのポイントは、「稼働率」と「加算」です。

条件設定
定員: 20名
人員配置: 7.5:1(手厚い配置)
平均工賃区分: 1万円以上1.5万円未満
稼働率: 90%(1日18名利用 × 22日営業)
主な加算:
・処遇改善加算(職員の給与UP用)※処遇改善加算等は、全額を職員賃金に充てるため、ここでは収支計算から除外します。
・送迎加算(必須レベル)
・食事提供体制加算(利用者の満足度UP)

月間の売上予測(概算)

  1. 基本報酬:
    • 584単位 × 10円 × 18名 × 22日 = 約2,312,640円
  2. 送迎加算・食事加算等:
    • 概算で約35万円
  3. 処遇改善加算等:
    • 職員給与に充当するため、売上には入るが利益にはならない(相殺)。

月商:約 280万円 (※処遇改善加算を含めた国保連からの総入金額はこれより高くなりますが、手元に残る運営費はこの金額です)

月間の経費予測

  1. 人件費(法定福利費込):
    • 管理者兼サビ管(1名):35万円(※ここがポイント)
    • 職員(常勤2名+非常勤2.5名分):約120万円
    • 合計:約155万円
  2. 固定費・変動費:
    • 家賃:20万円
    • 水光熱費・通信費:5万円
    • 車両費(ガソリン等):5万円
    • 法定福利費・消耗品・保険等:30万円
    • 合計:約60万円

経費合計:約 215万円

【結論】月間の営業利益

【結論】手元に残るお金(役員報酬+法人利益)売上 280万円 - 経費 210万円 = 法人利益 70万円

これだけ見ると「利益70万円か…」と思うかもしれません。 しかし、経費に含まれている「管理者給与(35万円)」を経営者ご自身が取ると想定すればどうでしょうか?

ご自身の給与(35万円) + 法人利益(70万円) = 合計 105万円

このように、「経営者が現場に入る(サビ管等を兼務する)」ことで、月100万円の手残りを目指すことは十分に可能な数字となります。 逆に、最初から現場を他人に任せる(完全オーナー型)場合は、利益70万円からのスタートとなります。

4. 失敗する事業所の共通点

シミュレーション通りにいかない事業所には、共通する失敗原因があります。

利用者が集まらない(稼働率50%以下)
 どんなに単価が高くても、利用者が来なければ売上はゼロです。

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加算を取りこぼしている
 面倒くさがって「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」などの高単価加算を見逃している。

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よくある質問(Q&A)

経営を検討されている方の「お金」に関するよくある質問をまとめました。

B型事業所の経営者の年収はどれくらいですか?

1事業所のみの場合、年収400万〜800万円程度が一般的です。 経営者が「管理者」を兼務して人件費を抑える場合は高くなりますが、完全オーナー業(現場に出ない)の場合は、利益のみが収入となるため、最初は少なくなります。年収1,000万円以上を目指す場合は、2店舗目、3店舗目と多店舗展開をしていくのが王道ルートです。

フランチャイズ(FC)に加盟した方が儲かりますか?

利益率を優先するなら、自社運営(単独)をおすすめします。 FCはノウハウが得られる反面、売上の5%〜10%程度のロイヤリティ(加盟金)が発生し続けます。福祉事業はもともと利益率が極端に高いビジネスではないため、このロイヤリティが経営を圧迫するケースが少なくありません。専門家(行政書士やコンサル)のサポートを受けながら自社で立ち上げる方が、長期的には手残りが多くなります。

「就労B型は潰れる」という噂を聞きますが、廃業の理由は?

9割以上の原因は「利用者が集まらないこと」です。 制度上、利用者が来てくれさえすれば赤字になることは稀です。廃業する事業所の多くは、「開ければ来るだろう」と高を括り、営業活動(相談支援事業所へのアプローチ)を怠った結果、損益分岐点を超える前に運転資金が尽きてしまっています。

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開業資金はどれくらい用意しておくべきですか?

最低でも「6ヶ月分の運転資金」が必要です。 障害福祉サービスの報酬(給付金)は、請求してから入金されるまで「2ヶ月」かかります(例:4月の売上は6月末に入金)。その間の人件費や家賃を支払うためのキャッシュ(現金)がないと、黒字でも倒産してしまいます。日本政策金融公庫などの融資を活用し、手元の現金を厚くしておくのが鉄則です。

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5. まとめ:適正な運営こそが「儲かる」近道

就労継続支援B型は、社会貢献性が高く、かつ収益性も高い素晴らしい事業モデルです。 しかし、それは「法令遵守」と「戦略的な経営」の両輪が揃って初めて実現します。正しく事業の運営をしていきましょう。

くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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