【令和8年度/2026】障害福祉の処遇改善加算 計画書作成&見直しガイド

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令和6年度の制度一本化(新加算Ⅰ〜Ⅳへの移行)から、まもなく2年が経過しようとしています。 障害福祉サービス(就労継続支援B型や放デイなど)を運営する皆様、毎年の計画書作成(通常4月15日締切)を「去年と同じでいいだろう」とルーチンワークだけで済ませていないでしょうか?

実は、制度移行後の「今」こそが、実地指導で最も指摘を受けやすいタイミングです。

「新区分(Ⅰ〜Ⅳ)に移行はしたけれど、就業規則や賃金規程の中身は古いまま」 「キャリアパス要件の『昇給の仕組み』が、実態とズレてしまっている」 「加算額は増えたが、賃金改善額の計算が合っているか不安だ」

制度変更直後の混乱期が過ぎ、行政のチェック体制も厳格化しています。形式だけの運用を続けていると、数年後の実地指導で「要件を満たしていない」として多額の返還を求められるリスクがあります。

この記事では、令和8年度の計画書作成における「点検ポイント」と、小規模事業所が「確実に加算を守り抜くための運用ノウハウ」**を解説します。

この記事を読んで分かること

・処遇改善加算の小規模事業所が取り組むポイントが分かる
・職場環境要件の取り組み方がイメージできる

目次

令和8年度(2026年度)処遇改善加算の全体像と注意点

令和6年6月に行われた「処遇改善加算の一本化(新加算Ⅰ~Ⅳへの統合)」から時間が経ち、制度自体は定着してきました。令和8年度においては、「新制度の要件を、実態として維持できているか」が最大のポイントになります。

経過措置は完全に終了しています

改めての確認ですが、旧3加算(処遇改善・特定・ベースアップ)の組み合わせによる「経過措置(旧加算Ⅴなど)」はすでに終了しています。 令和8年度も引き続き、新加算Ⅰ~Ⅳのいずれかを算定することになります。

「前年度コピー」が危険な理由

「去年通ったから大丈夫」は危険です。 事業所の売上が変動していれば、加算見込額も変わります。また、職員の入れ替わりによって「月額賃金改善要件(ベースアップ要件)」の計算が狂っているケースが多々見られます。必ず最新の職員構成と売上見込みで再計算を行ってください。

小規模事業所が目指すべき区分の選び方

従業員が数名~10名程度の小規模な就労継続支援B型や放課後等デイサービスの場合、無理に最上位区分を狙うと事務負担が激増します。 しかし確実に職員に還元できる区分を選びましょう。

【基本】まずは「新加算Ⅳ」を確保する

これは旧ベースアップ等支援加算に相当する部分を含みます。

  • 要件: 加算額の1/2以上を「月々の給料(基本給や手当)」で配分すること。
  • ポイント: 賞与でまとめて払うのではなく、毎月の手当(ベースアップ手当など)で支給する必要があります。

【推奨】「新加算Ⅱ・Ⅲ」で安定経営を目指す

多くの事業所が目指すべきラインです。

  • 要件: キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの整備、職場環境等要件の実施。
  • メリット: 加算率が大きく上がり、職員採用での競争力もつきます。

【注意】「新加算Ⅰ」は慎重に

最上位のⅠは、「経験・技能のある障害福祉人材」の配置や、「年収440万円以上」のルールが絡んできます。 小規模事業所の場合、この要件を満たすために無理な給与設定をすると、基本報酬が下がった時に経営を圧迫します。まずはⅡ・Ⅲを確実に運用することをお勧めします。

実地指導で指摘されない!「キャリアパス要件」作成のコツ

「キャリアパス要件」と聞くと、大企業のような複雑な人事評価制度が必要だと思っていませんか? 実は、小規模事業所には小規模事業所なりの「シンプルな正解」があります。

シンプルな階層設計でOK

以下のような3段階程度の階層で十分です。

  1. 初任者(入社~3年未満)
  2. 中堅職員・リーダー(3年以上 または 資格保有者)
  3. 管理者・サビ管

「昇給の仕組み」を就業規則に明記する

重要なのは「どうなれば給料が上がるか」が就業規則(賃金規程)に書いてあり、全職員が知っていることです。

NG例 社長の頭の中にだけ基準があり、なんとなく上げている。

OK例 賃金規程に「介護福祉士資格を取得した場合、資格手当を月額〇〇円増額する」「勤続〇年で号俸を上げる」と明記されている。

すぐできる!「職場環境等要件」のおすすめ取り組み

計画書には「職場環境等要件」として取り組む項目にチェックを入れる必要があります。 「やったつもり」にならないよう、証拠(エビデンス)が残しやすいものを選びましょう。

スクロールできます
カテゴリ小規模事業所におすすめの取り組み残すべき証拠(エビデンス)
資質の向上研修受講費用の会社負担、WEB研修の導入領収書、研修レポート
両立支援有給休暇が取得しやすい環境整備(時間単位取得など)就業規則、出勤簿
生産性向上業務マニュアルの作成、チャットツール(LINE WORKS等)導入マニュアル現物、導入契約書

特に「生産性向上」の項目は、業務効率化にもつながるため一石二鳥です。

提出スケジュールと流れ(令和8年度)

令和8年度(2026年4月~2027年3月)分の計画書提出スケジュールは以下の通りです。

  • 2026年 2月~3月:
    • 新年度の売上見込み・職員体制の確認
    • 加算区分の決定・計算
    • 計画書の作成
  • 2026年 4月15日(例年):
    • 計画書の提出期限(都道府県・市町村により多少前後あり)
  • 2026年 6月:
    • 4月サービス提供分の国保連請求(処遇改善加算込み)
  • 2026年 8月頃:
    • 加算を含んだ報酬が入金 → 職員へ賃金改善の実施開始

※重要※ 計画書の提出先は、指定権者(都道府県や中核市など)です。大阪府内の場合、事業所の所在地によって提出先が異なる場合があるため、必ず最新の「提出要領」を確認してください。

よくある質問

障害福祉事業所における処遇改善加算のよくある質問をまとめました。

計画書を作成しましたが、計算が合っているか不安です。

処遇改善加算の計算ミスは、後日、行政から多額の返還(ペナルティ)を求められる最大の原因です。特に、「前年度の売上をそのまま使って計算している」「職員の入れ替わりを反映していない」といったケースでミスが多発します。 ご不安な場合は、障害福祉を専門とする行政書士などに、計画書のダブルチェックを依頼しましょう。

小規模な事業所(職員数名)ですが、どの区分を目指すべきですか?

小規模事業所の場合、無理に上位区分を狙うと、キャリアパス要件の整備や賃金計算の負担が大きくなりすぎてしまいます。 まずは、旧ベースアップ等支援加算に相当する「新加算Ⅳ」を取得し、職員の月額給与を底上げしましょう。その後、就業規則の整備などを進めながら、加算率の高い「新加算Ⅲ(またはⅡ)」へのステップアップを目指すのが現実的です。

実地指導で指摘されやすいポイントはどこですか?

よくある指摘事例として、

  • 「就業規則に『資格を取れば昇給』と書いてあるのに、実際には昇給していない」
  • 「賃金改善の開始時期が、計画書に記載した時期とずれている」
  • 「職場環境等要件で実施したとする研修の記録(エビデンス)が残っていない」 などが挙げられます。計画書は作って終わりではなく、その通りに運用し、証拠を残すことが不可欠です。
就業規則の変更が面倒です。そのままではダメですか?

キャリアパス要件を満たすためには、「どのような条件で昇給・昇格するのか」を就業規則に明記し、全職員に周知しなければなりません。これを怠ると、実地指導で加算の要件を満たしていないとみなされるリスクがあります。

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まとめ:処遇改善加算の「形骸化」を防ぎましょう

処遇改善加算は、単なる「給付金」ではありません。職員が安心して働き続け、利用者様により良い支援を提供するための「土台」です。

「計算が面倒だから」と適当に済ませていると、万が一の実地指導で過去数年分の加算全額返還という、事業存続に関わるペナルティを受ける可能性があります。

「今年の計画書、これで大丈夫かな?」と不安な方は、提出期限が迫る前にぜひ一度ご相談ください。

くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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