医療連携体制加算で支援の質と収益を向上!就労継続支援B型の導入手順と看護師連携のポイント

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今回は就労継続支援B型で医療連携体制加算の算定要件や算定時の注意点についてご紹介します。

就労継続支援B型には様々な障害や疾患をお持ちの方が通所されます。就労継続支援B型は就労の機会の提供だけでなく、生活支援も含まれるため利用者の健康の管理維持はとても重要な支援となります。

しかし、就労継続支援B型の職員は生活支援員や職業指導員などで医療に関する専門職は配置されていないことが多くあります。

そのため、看護師を雇用するか、訪問看護を依頼することが必要になる場合があります。訪問看護を依頼し支援した際に基本報酬に加算することが可能な医療連携体制加算があります。以下、医療連携体制加算の算定額です。

医療連携体制加算:医療連携体制加算」は、医療機関と密接に連携し、看護職員が利用者の元に訪問して医療的ケアを提供することを前提に設けられた報酬加算です。

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医療連携体制加算(Ⅰ)32単位/日
医療連携体制加算(Ⅱ)63単位/日
医療連携体制加算(Ⅲ)125単位/日
医療連携体制加算(Ⅳ)400〜800単位/日
医療連携体制加算(Ⅴ)500単位/日
医療連携体制加算(Ⅵ)100単位/日

今回は就労継続支援B型で看護師の支援を受けるための医療連携体制加算についてご紹介します。

この記事を読んで分かること

・医療連携体制加算の算定要件
・医療連携体制加算の手続き方法
・医療連携体制加算の注意点

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目次

医療連携体制加算とは

障害福祉サービス事業所での「医療連携体制加算」は、医療機関と密接に連携し、看護職員が利用者の元に訪問して医療的ケアを提供することを前提に設けられた報酬加算です。

医療機関との契約に基づき、看護職員が訪問して、利用者に対して医療サービスを提供します。訪問看護の時間や提供する医療内容に応じて、加算の単位数が異なるため、事業所側は要件に沿った看護を提供しなければなりません。

医療体制加算の算定

対象となるサービスは以下のとおりです

  • グループホーム(共同生活援助)、ショートステイ(短期入所)
  • 就労系(就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型)
  • 障がい児通所支援(放課後等デイサービス、児童発達支援)

対象となるサービスによって医療連携体制加算の報酬体系も若干の違いがあります。

医療連携体制加算(Ⅰ):32単位/日

看護職員が事業所を訪問して利用者(上限8人)に対して看護を行った場合(1時間未満)

医療連携体制加算(Ⅱ):63単位/日

看護職員が事業所を訪問して利用者(上限8人)に対して看護を行った場合(1時間以上2時間未満)

医療連携体制加算(Ⅲ):125単位/日

看護職員が事業所を訪問して利用者(上限8人)に対して看護を行った場合(2時間以上)

医療連携体制加算(Ⅳ)

看護職員が事業所を訪問して医療的ケアを必要とする利用者に対して看護を行った場合

利用者が1人の場合:800単位/日
利用者が2人の場合:500単位/日
利用者が3人以上8人以下の場合:400単位/日

医療連携体制加算(Ⅴ):500単位/日

看護職員が介護職員等に喀痰吸引等に係る指導のみを行った場合

医療連携体制加算(Ⅵ):100単位/日

研修を受けた介護職員等が喀痰吸引等を実施した場合

要件

  • 医療機関等と委託契約等をおこない看護師が訪問し看護を行う(看護師の直接雇用も可能)。
    事業所は、該当する医療機関や訪問看護ステーションと文書による委託契約が必要です。費用については、一般的には医療機関や看護ステーションに対して報酬を支払います。
  • 医師の指示書が必要であり、定期的に提供状況の報告を行う必要もあります。
    医師からの指示書は、医療的ケアがなぜ必要なのかを具体的に示すものです。利用者一人ひとりの状態や必要とするケアについて詳細に記載されている必要があります。指示書には、利用者別にケアの理由、必要な回数、そして具体的なケア内容が含まれていることが重要です。また、有効期限内であることが必要です。※看護師一人で看護可能な利用者数は8人までです。
  • 個別支援計画の位置づけが必要
    個別支援計画書に「医療連携」についての内容記載が必要です。「医療連携」の内容を含め、担当者会議で検討されます。その後、利用者に計画を説明し、同意を得た上で交付されます。

参考:和歌山市HP「医療連携体制加算の算定に係る要件の取り扱いについて」

必要な書類

  • 契約内容が分かる書類
    ・医療機関と契約する場合
  • 雇用契約書
    ・看護職員を直接雇用する場合
  • 職員の「認定特定行為業務従事者認定証」の写し
    ・医療連携体制加算Ⅴ、Ⅵを算定する場合
  • 看護を受ける目的や内容を記載した個別支援計画書
  • 実施した看護内容の記録
    ・「実施した利用者の氏名」も忘れずに記載しましょう

医療連携体制加算の注意点

以下の点を注意し、医療連携加算の取得をしましょう。

医療機関や訪問看護に費用を支払う

医療連携体制加算を算定することで事業所は加算を算定できますが、その加算額を基準に医療機関等や訪問看護に費用を支払うことが一般的です。そのため、売上アップというよりは、利用者支援の向上が目的となります。

<就B型事業所と訪問看護会社で折半する場合>
対象者が8名で1時間未満の看護を週に1回行う場合
= 32単位 × 10円(地域区分) × 8人 × 4 週 =10,240円/月

障害福祉事業所 :5,120円
訪問看護    :5,120円

となります。

医療行為に当たらない行為は、医療連携体制加算の対象外となる

厚生労働省の通知では、特定の行為が医療行為には該当しないと明記されており、これらは医療連携体制加算の対象外です。内容は以下の通りです。

  1. 体温測定
  2. 自動血圧計での血圧測定
  3. 新生児以外へのパルスオキシメーターの装着、測定
  4. 切り傷、擦り傷、やけど等について専門的判断や技術を必要としない処置
  5. 軟膏塗布、湿布貼付、点眼、一包化された内服薬の内服、坐薬挿入・点鼻介助
  6. 日常的な歯のブラッシング、口腔内の清拭
  7. 正常な状態の爪を爪切りで切る、ヤスリをかける
  8. 耳垢除去
  9. パウチ内の排せつ物の廃棄
  10. 自己導尿の補助(カテーテルの準備、体位の保持など)
  11. 市販のグリセリン浣腸で行う浣腸
  12. インスリン注射に関する行為
  13. 血糖測定に関する行為
  14. 経管栄養に関する行為
  15. 喀痰吸引に関する行為
  16. 在宅酸素療法に関する行為
  17. 在宅人工呼吸器を使用している患者の体位変換を行う場合に、人工呼吸器の位置の変更
  18. 膀胱留置カテーテルに関する行為
  19. 行為5に追加して、爪白癬に罹患した爪への軟膏・外用液の塗布、吸入介助、水剤の内服介助
  20. とろみ食を含む食事の介助
  21. 義歯の着脱及び洗浄

加算の根拠となる書類を保管する

事業所でも医療連携体制加算取得するための加算根拠となる書類をきっちり整理して保存しておくことが重要です。

  • 日時と該当利用者と看護時間を記録する
  • 個別支援計画に訪問看護による支援も記載する
  • 訪問看護会社と情報共有のミーティングの記録をとる
  • サービス提供実績記録の該当日に支援の存否を記入する
  • 医師からの指示書を保管しておく

医療連携体制加算は、加算単価が大きく、事前の加算届も基本的に不要ですが、行政による事前の要件チェックがなされていないため、運営指導で指摘され返還額が大きくなるリスクがあります。そのため、事前にチェックしておきましょう

よくある質問

医療連携支援体制加算のよくある質問をまとめました。

医療連携支援体制加算は医者の指示書は必要ですか?

医者の指示書は必要です。訪問看護も医師の指示のもとケアを行います。

医療連携体制加算はバイタルチェックだけでも算定可能ですか?

則として「取れます」が、医師の指示書の内容によります。 単に血圧を測るだけでは医療行為ではありませんが、**「医師の指示書に基づいて」**看護師が利用者の体調確認(バイタルチェック)を行い、その結果を記録・評価する場合は加算の対象となります。 ただし、健康な利用者に漫然と行うのではなく、「服薬調整のため血圧管理が必要」など、医師がその必要性を認めていることが大前提です。ここが実地指導で突っ込まれるポイントなので、必ず指示書に「バイタル測定による状態観察」等の記載があるか確認してください。

利用者の上限人数はありますか?

看護師一人の上限が8人までです。

訪問看護ステーションへの「支払額」の相場はいくらですか?

加算額の「5割〜8割」程度を支払う契約が一般的です。 医療連携体制加算は、事業所に入った報酬を原資として、訪問看護ステーションへ委託料を支払います。 相場としては、加算収入の7割程度を訪問看護側へ支払い、残りの3割を事業所の事務手数料(場所代や調整コスト)として残すケースが多いです。

精神科訪問看護との「二重取り」はできますか?

原則としてできません。 利用者が自宅で「医療保険の訪問看護(精神科訪問看護など)」を受けている日に、事業所で「医療連携体制加算」を算定することは、給付調整の対象となる場合があります(※自治体により判断が厳密に分かれます)。 しかし、「自宅では精神科ケア、事業所では身体的ケア(褥瘡処置など)」というように目的が明確に異なる場合は認められるケースもあります。必ず事前に指定権者(市町村)へ確認してください。

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参考:厚生労働省|令和6年度 障害福祉サービス等報酬改定関連ページ
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202214_00009.html
 報酬告示・通知・Q&Aなど、改定内容全般に関する公式情報。

まとめ

就労継続支援B型で医療連携体制加算の算定要件や算定時の注意点について理解は深まりましたでしょうか。

就労継続支援B型には様々な障害や疾患をお持ちの方が通所されます。就労継続支援B型は就労の機会の提供だけでなく、生活支援も含まれるため利用者の健康の管理維持はとても重要な支援となります。

そのため、看護師による医療的支援が必要になります。利用者が必要な体調管理を受けることで安定した通所を促すことになり、利用者の増加に繋がっていく可能性があります。

様々な支援機関と連携し、質のいい障害サービスを提供していきましょう。

くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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