【成年後見人が知っておきたい社会制度について】~行政書士試験合格者が解説~

成年後見制度

今回の記事も成年後見制度についての知識について書いていきます。成年後見事務知識の記事になります。行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、成年後見業務に興味がある方に向けて記事を書いていきます。
今回の記事は成年後見人が知っておきたい社会制度について解説します。成年後見人には身上監護として様々な福祉サービスの利用を契約する場合が出てきます。そんな時に知っておくと良いと思われる社会保障についてご紹介します。
今回の記事を読むことで様々な社会制度を知ることができます。

身体的介護

身体的に介護が必要な方には65歳以上である場合には介護サービスを利用し、40歳~65歳までで特定疾病があれば、介護保険の2号保険を活用します。それ以外の場合で、障害と認定されれば障害サービスの利用を検討しましょう。

介護サービス

介護保険の介護サービスを利用できるのは原則、要介護認定で要支援または要介護と判定された65歳以上の方が対象です。ただし、厚生労働省が指定する16種の特定疾病に該当する場合は、40歳以上65歳未満の方も利用できます。
利用者の居宅での家事援助や訪問・通い・宿泊を組み合わせたサービス、福祉用具のレンタルなどさまざまな種類がありますが、このような介護保険に基づいたサービスを総称して「介護サービス」といいます。

障害者サービス

障害福祉サービスとは、障害者総合支援法で定められる、障害者や難病者の自立と社会参加を支援するサービスです。障害者に対する支援やサービスは、生活を送る上で必要になる仕事や動作に関する能力を身に付けさせたり、向上するための訓練を行う「訓練等給付」と、介護サービスである「介護給付の二つに分けることができます。

障害者総合支援法で定められている障害福祉サービスの利用者は、以下のような人になります。

・身体障害者福祉法第4条で規定された18歳以上の身体障害者
・知的障害者福祉法で定められた18歳以上の知的障害者
・精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条に定められた18歳以上の精神障害者(発達障害も含む)
・治療法が確立していない疾患、その他特殊の疾患で政令に定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度の疾患、つまり難病のある18歳以上の人

ただし、障害があれば誰でもサービスが受けられるわけではなく、また「障害支援区分」によって受けられるサービスは異なるため、注意が必要です。

居住支援

在宅での生活が難しくなった場合は施設入所をする必要があります。高齢者と障害者で入所を検討する場所が変わります。

高齢者施設

要介護状態の人を対象とした「民間型介護施設」

・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・グループホーム

要介護状態の人を対象とした「公共型施設」

・特別養護老人ホーム(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・介護療養型医療施設

自立状態の人を対象とした「民間型介護施設」

・サービス付き高齢者住宅(サ高住)
・健康型有料老人ホーム
・高齢者専用賃貸住宅(高専賃)
・高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)
・シニア向け分譲マンション

自立状態の人を対象とした「公共型施設」

・軽費老人ホーム
・ケアハウス

障害者施設

・障害者支援施設の施設入所支援
・共同生活援助(グループホーム)

金銭的給付

財産管理や収支の管理をすることが、成年後見人の役割ですが被後見人の収入が少なく、困窮している場合には、金銭的給付が得られる制度の申請を検討しましょう。

障害年金

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。なお、障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。

生活保護

生活保護とは、資産や能力などのすべてを活用しても生活に困窮する人に対して、国が経済的な援助を行う制度です。なお、生活扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、教育扶助、生業扶助、出産扶助、葬祭扶助などがあります。

まとめ

今回は様々な社会制度についてご紹介しました。今回ご紹介しました内容は、大まかな部分が多いと思います。以前までの記事で社会保障制度を詳しく説明しておりますので、是非ご参考にしてもらえたらと思います。成年後見人は財産管理と身上監護という二つの役割があります。特に身上監護については、対象とする被保護者が高齢で認知症状がある場合や、精神疾患による判断能力が欠けってしまっている場合ですので、介護サービスや障害サービスなどの福祉サービスの利用が必要になってきます。今回ご紹介した制度を知っておくと良いと思います。

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