【市民法務:電子内容証明書】~行政書士試験合格者が解説~

市民法務関係

今回の記事も行政書士の市民法務業務について書いていきたいと思います。行政書士の業務には、権利義務に関する書類の作成とその代理・相談というものがあります。その権利義務に関する書類の中で、契約書の作成と内容証明書についての記事を書いていきます。行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、市民法務分野に興味がある方に向けて記事を書いていきます。前回の記事に引き続き、内容証明書について記事を書いていきたいと思います。今回はわざわざ郵便を出しに行かなくても可能な電子内容証明書についてご紹介したいと思います。この記事を読むことで、電子内容証明書について知ることが出来ます。

電子内容証明書とは

電子内容証明とは、インターネットを通じて、内容証明郵便を差し出す方式のことです。
差出人は、内容証明郵便の文書を作成し、インターネットで送信すると、新東京郵便局がその文書を内容証明郵便として受け付け、自動的に2通を作成して、1通を受取人に、もう1通を差出人に配達されるというサービスです。

電子内容証明郵便の受付は、インターネットを通じて行うため、24 時間受け付けています。また、インターネットを通じて差し出すため、 通常の内容証明郵便のように、郵便局へ行く必要はなく、封入、印かんや差出人の押印も不要です。
郵便局からの配送は、受取人には一般書留郵便で配達され、差出人に は簡易書留郵便で配達されます。電子内容証明の文書は、ホームページから文書の雛形をダウンロード して作成します。

電子内容証明には、通常の内容証明のような1行の字数や1枚の行数 の制限はなく文書を作成することができますが、次のような制約があり ます。

・文字ポイントサイズ
10.5ポイント以上145ポイント以下。1行20字以内という制限はあり ません。
・用紙サイズ
A4判縦置きで横書きか、A4判横置きで縦書きです。
・余白
A4判縦置きで横書きの場合、全ページとも、上左右に各々1.5セン チメートル以上、下に7センチメートル以上の余白が必要となります。
・文字等の制限
外字は使用できません。文字の装飾は、太字や斜体のみ使用できます が、その他の装飾は使用できません。また、図や表を使用することもできません。
・用紙の枚数
最大5枚までとなっています。
・押印
不要です。

電子内容証明の文書を作成したら、ホームページ上の電子内容証明サービスからログインをします。差出し手続の画面へ進み、差出し文書 ファイルの選択、差出人の住所氏名の入力、受取人の住所氏名の入力をします。入力に際して、配達証明、速達、親展の付与も選択することができます。
差出文書内容と料金の確認をした後、支払方法を確定し、購入を選択すると差出が完了です。
電子内容証明も通常の内容証明と同じ様に、同文内容証明を利用することができます。受取人を複数指定した場合に、完全同文内容証明とするか、不完全同文内容証明とするかを選択することになります電子内容証明は、1度に100通まで差し出せます。

電子内容証明の配達

郵便局は、送信された電子内容証明本文をもとに、受取人宛の郵便物 と差出人宛の郵便物とを作成し、専用の封筒に入れ、受取人宛ては一般書留郵便として、差出人宛は簡易書留郵便として配達されます。
受取人宛について、配達証明付きにした場合は、配達証明のはがきが、 後日、差出人のところに届きます。配達については、通常の郵便と同様に郵便追跡サービスで確認できます。

料金

①基本の郵便料金の他に、内容証明関連料金として、②電子郵便料金、 ③電子内容証明本文に応じた内容証明料金、⑤書留料金が必要になりま す。また、差出人宛てに返送される謄本に関しては④謄本送付料金が必 要です。その他、配達証明、速達を選択すると、⑥配達証明料金、⑦速 達料金が加算されます。なお、同文内容証明として同じ内容の文書を複数の受取人に宛てた場 合は、受取人宛ての2通目以降の料金が減額になります。

料金
郵便料金(1)郵便料金84円
内容証明関連料金(2)電子郵便料金①電子内容証明文書1枚目15円
②電子内容証明文書2枚目以降1枚ごとに(5枚まで)5円
(3)内容証明料金①電子内容証明文書1枚目382円
②電子内容証明文書2枚目以降1枚ごとに(5枚まで)360円
③同文内容証明(2通目以降1枚目)210円
④同文内容証明(2通目以降2枚目以降1枚ごとに(100通まで))210円
(4)謄本送付料金①通常送付304円
②一括送付(受取人数100人まで)503円
(5)一般書留料金480円
日本郵政令和6年5月時点参照

料金の例

e内容証明文書1枚、謄本の送付方法が通常送付の場合。
(1)+((2)の①)+((3)の①)+((4)の①)+(5)
84円+15円+382円+304円+480円=1,265円

同文内容証明

同時に2通以上のe内容証明郵便物を差し出す場合において、その内容文書が同一内容のもの。

一括送付

同一差出人が同時に複数のe内容証明郵便物を差し出す場合、これらの謄本をまとめて差出人に送付する方法。(受取人数100名まで一括差出し可能です。)

まとめ

今回は郵便サービスの電子内容証明書をご紹介しました。24時間受付であることや郵便局が空いてな良くても手続き出来るため忙しい場合には助かるサービスですね。

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