【生活困窮になる前に出来ること】~現役福祉職公務員が実務から感じること~

救済処置支援

生活保護法は最後のセーフティーネットです。その最後のセ―フティーネットを受ける前には様々な社会保障制度が準備されています。生活保護法第4条補足性としても大変重要な考えになっています。今回は生活困窮になる前に事前に出来ることを順に説明出来たらと思います。この記事を読むことで生活困窮状態から打開できるヒントになればと思います。

生活困窮になる前に見直すこと

生活困窮になるのにはさまざまな要因があります。事故にあったり、病気になったりして働けなくなったり、高齢になって年金暮らしになり家族からの支援も求められない、家族の介護で働けない、事業が失敗して借金を背負ってしまったなど様々です。
そんな急な出来事が起きても予め対策をしておくことで回避できる可能性があります。今回ご紹介する内容はひとつの策であり、その他にも個々で様々な問題・課題があり対応策も変わって来ると思います。参考程度に見てくださいね。

金銭管理の収支を見直す

まずは収支を見直しましょう。見直す際に気を付けたいのは支出です。特に固定的に出ていく費用を把握しましょう。家計簿をつけるのも1つです。毎月どれだけのお金が生活費として出ているのかを確認し、抑えれるものを探します。例えば携帯の会社を乗り換えたり、賃貸であれば大家に家賃交渉をするものひとつです。最近は電気会社も自由化しており様々な乗り換えキャンペーンもあります。生命保険や住宅保険を見直すのもいいでしょう。車などは維持費が高いため保有することの必要性を考えなければなりません。家計や自分の収支の把握には、家計のバランスシートを作成してみたり、今後の収支を把握するためにキャッシュフロー表を作成してみるのもいいでしょう。インターネットで検索するとバランスシートやキャッシュフロー表の作成の仕方が載っていますのでご参考にしてください。

債務整理をする

家計簿を見直すと借金の影響で生計のバランスを崩していることがあります。借金の利子が高く、生活を圧迫している場合には、債務整理を行う必要があるかもしれません。債務整理といっても大きく分けて4つの種類があります。それぞれの特徴は以下に記載します。

  • 任意整理: 裁判所を通さずに債権者と交渉して、利息カットや返済期日の延期などをする
  • 自己破産: 裁判所で債務を免除してもらうための手続きで、財産の一部を処分し、すべての借金を免除する
  • 個人再生: 裁判所を介して債務の減額や返済期間の長期化をしてもらうための手続きで、住宅を残しつつ、借金を1/5〜1/10程度に減額する
  • 特定調停: 簡易裁判所の仲介を経て、債権者と債務者が話し合いをすることで、利息カットや返済額の減額などをする

債務整理をするために、法テラスを利用し相談することで自分にどのような債務整理が適切か把握することが出来ます。法テラスは初回相談は無料です。債務整理には費用がかかるため検討が必要です。

社会保障制度を活用する

社会保障制度はさまざまあります。過去の記事で詳しく紹介しているためご参考にしてください。

傷病手当…病気や怪我で仕事に行けなくなった時(業務外)

労災補償…業務上の怪我で仕事が出来なくなった時

失業手当…仕事を辞めて求職活動をするための生活費

などなどさまざまです。65歳以上になると老齢年金の請求が出来たり、病状によっては傷病手当から障害年金に切り替えることも出来ます。その他、遺族年金や未支給年金がもらえることもあります。

病気の治療費が高額になったり、介護によるサービス費用が高額になったりした時には高額療養制度や高額介護サービス費を申請することで一か月の上限額が返還されることがあります。所得によって限度額が決まっていますが、限度額でも生計維持できない場合には生活保護で相談することにより、証明書を発行してもらい支払い限度額や保険料を下げる手続きを受けることが出来る可能性があります。

生活困窮者自立支援制度を活用する

生活困窮者自立支援制度は生活を立て直すための支援をしてくれる制度です。過去の記事で詳しく紹介しているためご参考にしてください。

①自立相談支援
②住宅確保給付金
③就労準備支援
④一時生活支援事業
⑤家計改善支援
⑥子供の学習・生活支援

その状況に応じて生活を立て直すための就職先の斡旋や家計改善、金銭給付が行われます。

親族に助けを求める

親族に助けを求めることで、意外にも助けてもらえることがあるかもしれません。生活困窮していると知らない家族もいるはずです。生活保護を申請する際にも扶養してもらえるかを確認しますが、極まれに支援すると言ってもらえる方もいます。

社会福祉協議会の貸付を利用する

生活を立て直すために一時的にお金を借りる必要があるかもしれません。そんな時に消費者金融やカードローンを利用するのではなく、社会福祉協議会で金銭を借りることによって低金利または無利子で借りることが出来ます。社会福祉協議会で行っている貸付の種類は5つあります。過去の記事で詳しく紹介しているためご参考にしてください。

①総合支援金
②福祉資金
③緊急小口資金
④教育支援資金
⑤不動産担保型生活資金

生活保護の申請を検討する

さまざまな制度を利用しても収入や預貯金が無くなった場合には生活保護申請を検討しましょう。生活保護を受けることで、最低生活費を保障してもらいながら生活の立て直しを援助してもらえます。生活保護には市役所職員が担当となり、1人ひとりに合わせた支援を行います。相談申請はいつでも可能ですし、生活保護になる前に様々なアドバイスを受けることが出来ます。

まとめ

今回は生活困窮状態を改善するための方法についてご紹介しました。自分で生活を変えることが出来ずにどんなことをすればいいのか分からないといったことがあるかもしれません。金銭管理の見直しや債務整理、誰かに相談したり、社会保障制度を活用をする必要がある事は分かっていてもどんな制度が活用できるのか分からない場合には今回の記事を参考にしてもらえれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました