【年金だけじゃ老後が不安】民間が行っている上乗せ年金って知ってますか??~現役福祉職公務員が分かりやすく解説~

年金制度

前回までの記事で公的年金制度についてご紹介しましたが、老後2,000万円問題と言われるほど年金収入だけで老後の生活をしていくことは難しいと考えられています。高齢者雇用も増えていますが、高齢になっても働き続けるというのは年を重ねるにつれ出来なくなってくるでしょう。公的年金制度でも付加年金や繰下げ受給などの制度がありますが、民間の年金により積み立てるという方法もあります。民間の年金と言えば皆さんはどんなものを思い出すでしょうか??
会社でかけれる企業年金を思い浮かべる方もいれば、自分で積み立てるiDeCoをしている方もいると思います。今回は民間の老後の積立としての年金をご紹介します。
この記事を読むことで老後の貯えについて知ることが出来、計画的な老後資金の貯蓄が出来るようになります。

確定給付と確定拠出型

企業によっては任意の年金制度として企業年金等を設けています。会社員は国民年金と厚生年金の2つに加入していますが、企業年金により公的年金を補うための私的年金です。
企業年金には確定給付型確定拠出型があります。確定給付型は将来受け取る年金額が確定しています。確定拠出型は一定の掛金を運用することで将来の年金額が決まります。

確定給付型

・確定給付企業年金は、掛金の運用によって将来的な受給額が変動することは、原則ありません。受け取る給付額が予め約束されています。
・老齢給付だけでなく、脱退一時金として退職時に給付を受けることもできます。
・確定給付企業年金は、確定拠出年金(企業型確定拠出年金やiDeCoなど)や中小企業退職金共済との併用が可能です。
主に企業年金連合会等があります。

確定拠出型

・確定拠出年金は一定の掛金を拠出し、その運用成果で将来受け取れる年金額が変わります。企業型と個人型(iDeCo)があります。掛け金は原則、企業型は会社が、個人型は加入者本人が拠出し、運用はいずれも加入者本人が行います。

企業型

加入対象者…70歳未満の厚生年金被保険者
掛金…事業主(加入者拠出も可能)
拠出限度額…①確定給付なし:年660,000円/月55,000円、確定給付あり:年330,000円/月27,500円

個人型(iDeCo)

加入対象者…最長65歳未満の国民年金被保険者
      ①自営業者②厚生年金被保険者③専業主(夫))(第3被保険者)④任意加入被保険者
掛金…加入者
拠出限度額…①自営業者:年816,000円/月68,000円、②厚生年金被保険者:確定拠出年金のみ・年24,000円/月20,000円、確定給付あり・年144,000円/月12,000円、公務員・年144,000円/月12,000円、専業主婦(夫)・年276,000円/月23,000円

通算加入期間が10年以上あると60歳から給付できます。75歳までに受給開始する必要があります。

確定居室年金の税制優遇措置

個人型の確定拠出年金の掛金は全額、小規模企業共済等控除の対象になります。運用中の収益も非課税です。また、退職金として受け取った場合には退職所得となり控除対象にもなります。年金として受け取る場合には雑所得となります。

その他年金制度

中小企業退職金共済制度

中小企業退職金共済制度とは、中小企業が加入することが出来、国の援助がある社外積立型の退職金制度です。

掛金は月額1人当たり5,000円~30,000円で従業員が任意に選択することが出来ます。
①新たに加入する事業所に対して掛金の1/2(上限1人につき5,000円)を加入後4カ月目から1年間助成。②掛金を増額(月額18,000円以下)する事業所に対して増額分の1/3を増額月から1年間助成。
掛金の税金は会社の場合全額損金として取り扱い、個人事業の場合は全額経費に計上されます。

個人年金保険

個人年金保険は、一定の年齢に達した時に年金を受け取れることができる保険です。年金を受け取る年齢や受け取り方法は契約時に決めます。年金の受け取り方法により終身年金、有期年金、確定年金、保証期間付終身年金、保証期間付有期年金、夫婦年金の6つがあります。

終身年金

被保険者が生存している間、年金を受け取れます。

有期年金

被保険者が生存している間の一定期間、年金を受け取れます。

確定年金

被保険者の生死に関係なく、一定の期間年金を受け取れます。

夫婦年金

夫婦のいずれかが生存している間、年金を受け取れます。

保証期間付終身年金

被保険者が生存している間、終身で年金を受け取れます。また保証期間内に被保険者が死亡した場合、保証期間中の遺族が年金を受け取れます。

保証期間付有期年金

被保険者が生存している間、有期期間内は年金を受け取れます。保証期間内に被保険者が死亡した場合、保証期間中は遺族が年金を受け取れます。

自営業者

自営業者は国民基礎年金のみであるため補う制度として付加年金、国民年金基金、小規模企業共済などがあります。

付加年金

第一号被保険者の国民年金の上乗せ制度。月400円を加算することで、65歳からの年金額に納付月×200円が加算されます。

国民年金基金

第一号被保険者の国民年金の上乗せ制度。確定拠出年金の掛金と合算して月額68,000円まで拠出できます。掛金は加入時の年齢や性別によって変わります。全額が社会保険料控除の対象になります。

小規模企業共済

小規模企業の役員や個人事業主の退職金制度です。掛金は月1,000円~70,000円退職や廃業時に受け取れます。掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。共済金を一括で受け取ると退職所得となり、分割で受け取ると雑所得となります。

まとめ

今回は公的年金以外で老後の資金を確保する方法をご紹介しました。現在は年金制度だけでなく、積立ニーサなども出てきています。公的年金は国が運用しているのですが、日本は人口減少と超高齢化社会となっているため今後の年金制度に不安を覚える方も多いと思います。様々な制度を利用し、将来の貯蓄を増やしてもらえたらと思います。

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