【終活ってどんなことをするの??】~行政書士試験合格者が解説~

相続

今回の記事も相続にまつわる知識について書いていきます。相続実務の記事になります。行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、相続分野に興味がある方に向けて記事を書いていきます。
今回は被相続人が亡くなる前に出来る対策について紹介したいと思います。皆さんは『終活』と言った言葉を聞いたことはありますか??「終活」とは人生の終わり方を考える活動を意味する単語で、初めて登場したのは「週刊朝日(朝日新聞出版)」で2009年に連載されていた記事「現代終活事情」です。終活と言った言葉が広がった社会的背景には、核家族化や少子高齢化社会となり、子供に迷惑をかけたくないといった思いや、高齢者の平均寿命が延びたことによって資産の継承を考える人が増えたなどの理由が挙げられます。
この記事を読むことで終活のメリット・デメリットとどのように行うのかについて知ることができます。

終活とは

終活(しゅうかつ)とは、人生の終わりについて考え、備える活動のことを言います。残された家族の負担を軽減するための活動であるのと同時に、残りの人生を充実したものにするための前向きな活動でもあります。

では、終活を行うメリットとは何でしょうか。個人の置かれている環境によって何をすべきか、何を目的とするかが異なりますが、一般的には次のようなメリットを挙げることができます。

終活は、人生の「これから」を考えるために、自分の人生を振り返ることや自分の身の回りについてあらためて考えることからスタートになります。そのような振り返りを通して、自分の人生の中で楽しかったこと、苦労したこと、今の悩みや不安なことを整理することにつながります。このように自分と向き合い気持ちを整理することによって、腰を据えてこれからの生き方を考えることができます。

人生の最期を考えることを通して、これからどのように生きていきたいのかの人生プランを描くことができます。その人生プランの設計を通して、亡くなるまでにチャレンジしたいことを考えるだけでなく、老後資金が何にどれくらい必要か、どのように自分の資産を次の世代に承継したいかを検討することができます。このような検討をすることによって、漠然とした老後に関する不安を解消することにつながります。

死後に残された親族や周囲の人は、死後にさまざまな手続きに追われることになります。具体的には、知人への連絡、葬儀やお墓の手配、遺品整理、相続に関する手続きなどがあります。生前に、終活の一環として、亡くなったあとに必要となる情報を、自分に万が一のことがあった際の​「エンディングノート」などに記しておくことで、そのような家族の負担を軽くすることができます。

遺産相続は誰がどのように相続するかでトラブルになることが多いです。相続財産の額にかかわらず、トラブルは生じ得ます。
終活の一環として、財産を誰に分けるのかについて遺留分制度との関係も考慮しながら決め、相続人からの納得を得つつ、遺言書を作成することが遺産相続トラブルを防ぐことにつながります。

終活は、自分が亡くなった際のことを考える必要があるため、少なからず不安を感じることが多くなってしまう可能性があります。
また、すべて一人で事前に準備しようと頑張りすぎてしまい、終活をすること自体に対しストレスを感じてしまう場合があります。

どんなことをするの??

(1)荷物の整理

自身で判断ができるうちに、不要な財産の処分を進めることも重要です。亡くなったあとの遺品整理は、対象となる遺品が多ければ多いほどそのコストや時間がかかってしまいます。

(2)医療や介護の意思表示

自分にもしもの時のことがあった際に、どのような医療や介護のサービスを受けたいかをあらかじめ自身で決め、家族や医療サービスの提供者などに共有しておきます。

(3)財産の管理・整理

自身の財産について、土地であれば登記簿など、預貯金であれば口座情報やおおよその預金額、株式などの情報、どんな保険に契約しているのかについて、一覧表を作成しましょう。

(4)葬式の希望をまとめる

最近は様々な葬儀のかたちがあります。どのようなお葬式にして欲しいか、誰を呼んで欲しいかなどの希望を事前に考えて準備しておきましょう。 遺影用に自分らしい写真を撮影して残しておくなどの準備もあります。

(5)お墓を決める

最近は先祖代々のお墓である家墓だけではなく、共同墓や納骨堂、樹木葬墓地など、お墓の種類も様々になっています。

(6)相続についての取り決め

遺言書を作成することで、遺産を分ける際のトラブルを防ぎやすくなります。主な遺言書の種類としては、自身のみで作成することができる自筆証書遺言、公証人による作成が必要な公正証書遺言があります。

(7)老後の資金計画をたてる

自分の人生プランを立る中で経済的な面での不安があると、最期まで前向きな人生を送るための支障となってしまいます。年金も含めた老後資金の確保や運用について早めに専門家に相談し、漠然とした不安を解消するようにしましょう。

(8)交友関係の整理

自身に何かあったときに家族から連絡してほしい人の連絡先をまとめておくと、財産に関する一覧表と同様、家族による手続きにかかる負担を軽減することができます。また、このような連絡先をまとめる作業を通して、長い間連絡をとっていない友人に連絡をとることも終活の一環となります。

(9)老後にやりたいことを書き出す

今後の人生で、①やりたいこと、②実現したい夢、③目標などをリスト化することによって、残りの人生で何をしたいのかを明確化します。

(10)エンディングノートの作成

エンディングノートとは、自分の人生の最期について家族や友人に伝えておきたいことを書き残すノートです。書き方や内容に制限はなく、自由に書くことができます。死後のことだけでなく、今までどのように生きてきたのかを書き記すことで後世に生きてきた証を残せます。

まとめ

今回は亡くなる前に行っておきたい終活についてご紹介しました。人生を最期まで悔いなく過ごすために終活が流行しました。終活をすることで、死後の相続だけでなく現在の生活もより良くできるはずです。次回はエンディングノートについてご紹介したいと思います。

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