【生活保護の申請したら家族に知られるの??】扶養義務者や他方他施策について紹介~現役福祉職公務員が分かりやすく解説~

救済処置支援

今回は前回に引き続き生活保護申請に必要な要件について解説していこうと思います。前回は生活保護の申請先はお住いの市町村役場であるとお伝えしました。その上で申請する際に準備しておくといい物をご紹介しました。そして、生活保護の申請時に判断される、世帯認定方法や資産活用について説明しました。今回も引き続き生活保護申請時に判断される項目についてご紹介致します。
この記事を読むことで生活保護申請をご検討されている方がスムーズに申請することが出来るようになります。

要件について

生活保護申請時はもちろんのこと、保護受給中にも必要とされる要件についてご紹介していきます。

扶養義務者

生活保護での扶養義務者は3親等以内と判断されています。3親等以内の親族に対して扶養調査という書類で回答を求めたり、場合によっては実地調査(訪問による聞き取り)が行われます。ここでの扶養依頼は強制するものではありません。また、親族の感情問題もあるため難しい部分でもあると思います。生活保護受給後も毎年調査を行われるのは15歳未満の子の親(離婚後の親)だったり、仕送りを行っている親族に対してです。

稼働能力の活用

生活保護を受ける際には稼稼働能力の調査が行われます。身体的・精神的状態を面談で聴取され病状に応じて病院にて診察を受けます。そこで、医師より現在の稼働能力を医学的に判断され、生活保護受給後に稼働能力にあった就労支援を行われます。稼働能力は大きく分けて、軽労働可、中労働可、中労働可、就労不可(療養専念)の4種類あります。

他法他施策

生活保護制度は最後のセーフティーネットであるため、他に活用できる他法他施策があればそちらを先に活用しなければなりません。他法他施策の幅はとても広いのですが、生活保護の法律が書いてある生活保護手帳では挙げられているのは40項目あります。

1身体障害者福祉法、2児童福祉法、3知的障害者福祉法、4障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律、5老人福祉法、6売春防止法、7配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、8災害救助法、9農業保険法、10精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
11感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、12原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律、13公害健康被害の補償等に関する法律、14特別支援学校への就学奨励に関する法律、15健康保険法、16厚生年金法、17恩給法、18各共済組合法、19雇用保険法、20労働者災害補償法
21石綿による健康被害の救済に関する法律、22国民健康保険法、23国民年金法、24高齢者の医療の確保に関する法律、25介護保険法、26児童扶養手当法、27特別児童扶養手当等の支給に関する法律、28児童手当法、29戦傷病者戦没者遺族等援護法、30未帰還者留守家族等援護法
31引揚者給付金等支給法、32自動車損害賠償保障法、33墓地、埋葬等に関する法律。34母子及び父子並びに寡婦福祉法、35母子保健法、36学校保健安全法、37生活福祉資金、38中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律、39職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律、40年金生活者支援給付金の支給に関する法律

注意事項

生活保護法では資産等を調査されます。調査内容は戸籍による親族情報、不動産の登記簿、銀行預貯金や生命保険、年金受給額、課税情報等さまざまな調査が行われます。もし調査内容に疑義が生じたり、忌避があった場合には、申請を却下される可能性がありますのでご注意ください。

最低生活費について

さまざまな調査を行ったうえで、国が定めた最低生活費と収入(預貯金も含めて)を比べ申請時点で生活保護を必要とするかを判断されます。保護申請時の最低生活費と収入を比べる計算を要否判定と呼びます。生活保護の要否を判定する計算です。要否判定で計算される項目は様々ありますが、代表的なものは①生活扶助費(厚生労働省が定めた基準)②住宅扶助費(住んでいる地域によって変わる家賃の基準)③医療扶助費(直近三ヵ月平均の病院代)、④介護扶助費、⑤教育扶助費(義務教育の学用品費、給食代等)⑥出産扶助費、⑦葬祭扶助費などです。その他にも介護保険料や国民健康保険料も含めて一か月必要な生活費を判断し現在の預貯金や毎月の収入と比べ今後生活の維持が可能かを判定します。

生活保護の決定後

生活保護が決定した場合は、申請した市町村役場から連絡が入り、保護開始の決定通知と生活保護費が支給されることになります。初回は生活保護の説明を行うために窓口で手続きを取ることが多いようです。その後は指定した口座に生活保護費が振り込まれるようになります。生活保護受給後は一人ひとりに合わせた援助方針が作成されます。毎月~年に1回の家庭訪問が実施され生活状況の確認や自立助長の助言や指導など支援が行われることになります。

くまくまさん
くまくまさん

一人ひとりに合わせたオーダーメイドの支援が行われます。

まとめ

生活保護という制度は最低生活の保障を行います。そのためにはありとあらゆるものの活用を行う必要があります。その中で、家族へ支援を求めることや自分の働ける力を活用したり、様々な法律を活用することになります。そうしたことを活用することで生活保護を受けなくても実は色々な助けがあることに気が付けるかもしれませんね。

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